どうか安らかに… ホントにホントに大好きだった西田敏行さん
ここ数日元気がなくてどうも調子が出ないのは、西田敏行さんの訃報を聞いてから…。スマホで訃報を目にしたとき、現実かどうか分からなくて涙も出てきませんでした。信じたくありませんでした。
昨日安住くんの番組で西田さんの訃報を取り上げたときに、映像を観ながら涙する三谷幸喜氏を観ました。
その三谷氏の姿を観て、私も初めて号泣しました。ああ、本当にいなくなってしまったんだな…と。
しかも父と同じ死因だったので、あのときのことが走馬灯のようによみがえってきて余計に悲しくなってしまいました。
西田さんは子どもの頃から当たり前に存在していた大好きな俳優さんで、これまでに出演作もたくさん観てきました。
西田さんのようにマルチな才能のエンターテイナーは、もう二度と現れないんじゃないかと思います。
アドリブ好きなことは有名ですが、とにかく人を楽しませることが大好きだった西田さんのチャーミングなお人柄が心の底から偲ばれます。
我が家の大晦日は、母が大掃除やらお節作りをする大忙しの一日。なんの役にも立たない父と子どもらは「家にいてゴロゴロされるより出かけてもらった方がいい!」という母の意向で、毎年映画を観に行くのが恒例でした。
『男はつらいよ』と『釣りバカ日誌』の二本立て(笑)。そんなわけで、ハマちゃんとスーさんの軽妙なやり取りと、ハマちゃんとみち子さんのお決まり「合体」シーンを子どもながらに堪能していました。
西田さんの作品は数々あれど、私は映画『ステキな金縛り』が大好きでした。西田さんの落ち武者の幽霊・六兵衛と深津絵里演じる弁護士・エリの交流がハートウォーミングな作品で、これまでに何度も観ています。
先日放送されたのを録画してあるので、もう少し西田さんの死を自分の中で昇華できたら観ようと思っています。今はまだ悲しすぎて…。
ドラマ『俺の家の話』での観山寿三郎役も、お茶目な雰囲気がピッタリでした。旅先のスパリゾートハワイアンズで「マイ・ウェイ」を熱唱した、カッコいい西田さんの姿が思い出されます。
最近ではドラマ『さよならマエストロ〜父と私のアパッシオナート〜』での、カフェ「うたカフェ二朗」の店主・二朗役がハマり役でお気に入りでした。温かく西島くん演じる夏目を見守る姿に、心がほっこりしました。
西田さんの優しく穏やかな歌声も大好きでした。『もしもピアノが弾けたなら』は名曲です。ここ数日テレビから何度も流れてきてきたこともあり、気がつけば口ずさんでしまっています。阿久悠の歌詞も言葉のチョイスがさすがです。
そして『人生の楽園』のナレーション。多分、器用な声優さんは西田さんのマネができるかもしれません。でも、あの”西田節”は西田さん唯一無二のもの。細部に渡るまでこだわっていたあのナレーションがもう聴けないと思うと、寂しい限りです。
あの役も、この役も…いろいろよみがえってきては胸が痛いです。
人生の後半戦は病気やケガとの闘いの日々でもあったし、車イス姿で壇上に上がらなければならなかったこと…本当は辛いときもあったと思います。
それでも周囲の人たちに心配をかけないよう、きっといつも気配りの人だった西田さん。
あのクシャっとした屈託のない笑顔が忘れられません。これほど誰からも尊敬されて愛された俳優さんは、他になかなかいないんじゃないでしょうか。
76歳…あまりにも早すぎます。まだまだ西田さんの演技が観たかったです。西田さんの田中角栄、実現していたらまた一つ新たな名作が誕生していたことでしょう。
西田さん、ホントにホントに大好きでした。こうして言葉を紡いでいても、泣けてきてしまいます。
素敵な作品たちをありがとうございました。
どうかどうか安らかにお眠りください。向こうでゆっくり体を休めてくださいね。