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幸い「孤独」を感じずに生きていられている今に感謝
昔昔、霊感商法についてワイドショーが毎日のようにこぞって報道していた時期がありましたよね。旧T教会の合同結婚式も、当時はこんな結婚があるのかと驚愕したものでした。
今回の安倍元首相の事件で再び脚光を浴びる形になった旧T教会なわけですが、今朝の「モーニングショー」の特集を観て、結局昔と何ら変わっていない洗脳の恐ろしさをまざまざと見せつけられた思いでした。
確かに人間弱い生き物で、落ち込んだ時に何かにすがりたいとつい思ってしまいがちだと思います。その心の隙につけ込まれてしまう人とそうでない人の差はなんだろう?と考えてみても、正直明確な答えは出てきません。自分自身も「私は100%洗脳されない」と決して断言することはできない気がしています。
ただ、今朝脱会できた方が出演されていて、その方がなぜ自分が脱会できたのかを語った言葉で、洗脳が解けるために必要なことについては腑に落ちました。
彼は入会当時大学生で、献金するお金が無い(その方は献金としては0円だったそうです)代わりに睡眠時間を削って布教活動をし、「お金を払える=献金できる」人間を教会に調達する役割を担っていたそうです。詐欺まがいのことをしている実感がありながら、洗脳されている間はサタンに取りつかれないようにと必死でノルマをこなしていたそうです。
家族とも7年ほど会っていなくて、親族も集まるというので久しぶりに実家に帰った時も、家族や親族みんなを説得して入会させるつもりだったそうです。でも、その時家族と親族の涙を流す姿を見て、自分がやってきたことで家族にこれだけ心配や迷惑をかけてきたということに気づき、その瞬間あっけなく洗脳が解けたそうです。
まるで嘘みたいな話ですが、強制的に会の外へ連れ出すとかではなく、真剣に家族がその人と向き合って説得するために話をするという時間が大切だそうです。それが時には24時間続く、3日続くという長丁場になったとしても、その時間こそが洗脳を解くために必要なことだそうです。
今日出演されていたN氏が「洗脳から解けるように導いてくれるような家族がいる環境の人はいいけれど、そういう人がいない本当に孤独な人たちを救い出す術を見つけないと・・・」というような言葉が非常に印象的でした。
今回事件を引き起こしたY容疑者も、ただひたすら孤独な状況だったんだと思います。もちろん彼の行った行為については同情の余地はないし、人として決して許されない蛮行(政治家の皆様の言葉をお借りして)であることは間違いないわけです。
けれど、母親が破産するまで追い込まれ、そのせいで苦しい生活を送って来ざるを得なかった自らの人生を思うと、誰かの、何かのせいにして、そのターゲットに制裁を加えるという道を選択することでしか心を救う方法が見出せなかったのかもしれません。もちろん、その矛先が最終的に安倍元首相に向かったというのは様々なことが積み重なった不幸な結果であって、ある意味神様のいたずら的な要素があったように思えてならないわけですが。
この事件がこれからどんな方向に進んでいくのかは分かりませんが、少なくとも旧T教会という団体が先日の会見の通りではない活動を未だにしているのが事実なのであれば、そこから救われる人たちが少しでも増えてくれることを願うしかありません。
同時に、孤独であると自分が今感じないで生きていられるのは、一番身近な存在である家族や友達がいるからこそであって、それを当たり前と思わずにより大切にして感謝しながら生きていこうと改めて思います。