結局全部持って行った藤井風と、星野源「不思議」が生で聴いた最高の出来だった2021紅白への雑感。
年始かなりネットで盛り上がったのですっかり出遅れた話題なんですが、どうしても自分も書かずにはいられませんでした(笑)。
なんだかんだ言いながら毎年観ている「紅白歌合戦」。司会の大泉洋ファンとしては応援の意味もあるし、昨年は藤井風が出場するというのがなんと言っても観る大きな要因でした。
藤井風を知ったきっかけは、歌の生徒が持ってきた課題曲「帰ろう」でした。この曲歌詞はいいし、メロディーラインもとってもセンスあるし、声もいいし、とにかく心に届く歌声だなーと。見事に私のツボにはまりました。そこから彼の他の楽曲を聴いて、宇多田ヒカルの時に受けた衝撃と同じモノが確かにそこにありました。
両者、ご本人はきっと自分の中から溢れ出てくるメロディーを自由に自然に紡いでいるだけなのでしょうが、凡人からは決して生まれ出ることのないモノばかりだったりするわけです。宇多田ヒカルの曲を何曲かカバーして歌ってきましたが「えっ?ここでこの音にいくの?」「へっ?ここで歌詞切るの?」などなど。私にとっては、間違いなく曲を完全に覚え切るまでに一番時間がかかったアーティストだと思います。
藤井風のメロディーもまさに感性のなせる業。紅白で「きらり」を実家から弾き語りしていましたが、あの遊び心溢れる演奏は彼ならではでしょう。「燃えよ」も、「燃えよ」と「もうええよ」の歌詞遊び。これって、狙ってやると裏目に出る場合もあるし、なかなか難しいことなんですよね。それをさらりとやってのける才能に脱帽です。まさに天才です!
最後のMISIAの歌声は圧巻を超えて、やり過ぎ(笑)。そして、2人の共演の「Higher Love」はもはや反則でしょー。贅沢過ぎる演出。なんだか最後は2人のための紅白のようでした。
が、私にとっては星野源の「不思議」がこれまで何度か聴いてきた「生不思議」の中で一番最高の出来でした!演奏はオリジナルに忠実っぽかったけれど、星野源の歌声は緻密に計算されたアレンジが加えられていてとても良かった。この曲はやはりガッキーを想って書いたんだろうし、その想い溢れる非常にいい演奏だったと思います。
そんなわけで視聴率とか関係なく、昨年の紅白は心に残る演奏が多々ありました。でも、演奏時間の長い短いはやっぱり不公平感しか生み出さないと思うし、口パクは禁止くらいのことをする勇気を持たないと、どんどん視聴者離れしていっちゃいますよね。
今の若者たちはサブスクで音楽聴きまくっているので、それなりに耳は肥えている人たちも多いと思うわけです。ネット発信から売れた様々なアーティストたちも生でしっかり歌える人たちばかりだと思います。
紅白があくまでも歌合戦であるというならば、忖度なしに生歌を届けられる歌手だけで成立させるべきだと私は思います。