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ゴードン会議でトスカーナを訪れた(その4):エクスカーションでワイナリーへ
ポスターセッション
ポスターセッションは、2日目から5日目までを2グループに分けて2日間ずつ掲示していた。午後のフリータイムが終わって16:30-18:00の間の時間帯。同僚の吉川講師は前半で、ショートトークを行ったこともあって大盛況。私の方は後半の日程で、昔からの知り合いを中心にポスターを見に来てくれた。現在、リバイス中の内容だったので「Good luck!」と皆に励まされた。
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対面会議の良さ
合宿形式の学会では、対面でのネットワーキングが可能。オンライン会議では、目的のために集まって効率的に議論ができるものの、偶発的なアイディアが生まれることは少ないし、食事を共にすることによって生まれる信頼感がさまざまなコラボレーション等を生み出す原動力となる。
最終日のランチでは、Carolの呼びかけで、関係する研究者による研究打合せを行った。Wikipediaによれば大学卒業が1967年なので、自分と約15年くらいの年齢差があると思しきCarolは、眼の網膜の発生をメインにまだ研究を続けておられる。「最新情報を教えてほしい」とのことで、種々のunpublished dataをお伝えし、盛んにメモを取っておられた。母が認知症になってしまったので、年上の女性の先生がまだこうやってアクティブにされているのを見るのはとても嬉しい。
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オーガニックのワイナリー見学
毎日、ランチからポスターセッションの間はオフの時間となっていて、各自自由に、プールで過ごすも良し、リモートワークの時間にもなるが、観光ツアーも用意されていた。我々は最終日のワイナリー見学を申し込み、バスで向かった。昼間の気温は毎日36℃以上のため、徒歩でのツアーは想定外。
つづら折りの山道をやや下ったところにあるPodere Concoriというワイナリーを訪れ、社長のお嬢さんより説明を受けた後、3種のワインのテイスティング(簡単なブルスケッタのおつまみ付き)を行った。伝統的な手法で作られるオーガニックワインは「ビオ」と呼ばれることもあり、化学肥料を使わないなどの点でサステナブルであるとして近年、注目を集めているが、同じようなワイナリーは多々あるため、レストランへの営業活動などが欠かせないらしい。個人的には、オーガニックワインは雑味が多いのであまり好みではないのだが、今回いただいたロゼのスパークリングと、シラー系の赤は美味しかった。子猫はいつでも人気者。
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ロールモデルズ
今回の参加者はおよそ男女半々に思えたが、メインオーガナイザーのDebby Silverが女性ということもあって、トークに選ばれたのはむしろ女性が多かったように思う。一番長老の参加者は、以前にSociety for Neuroscienceという米国の一番大きな基礎系神経科学の学会の会長を務めたCarol Mason先生。今なおコロンビア大学でポスドク等と研究を行っておられ、今回、共同研究の話もさらに進めることができた。二番手のオーソリティは、オーストラリアからセントルイスのワシントン大学の神経科学のデパートメントヘッドとして異動されたLinda Richards先生。初日午後のパワーアワーのファシリテータを務めておられた。彼女は今回、高校生のお嬢さんといっしょに参加。夏のリゾート地での開催でもあり、子ども連れは多い。