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ゴードン会議でトスカーナを訪れた(その5):最終日のディナーほか

次のオーガナイザーの選挙とアンケート

時間がやや前後してしまうのだが、最終日の朝8:30からはBusiness Meetingとして、次回2026年のオーガナイザーの選挙が行われた。2人がペアになって立候補するという形で、1組のみの候補であったので、すんなり満場一致。その後、9:00からのセッション開始前まで学会の印象などのアンケート調査の時間となる。これはGordon Research Conferences (GRC)が各種プログラムをサポートするのに一定以上の回答率や高評価が必要であるため、いわば無理やり回答のための時間を設けているらしい。アンケートのリンク先は直前にGRC事務局からのメールで届いていて、インターネット上で回答する形式。

興味深かったのは、トークの人選や会場の良し悪しなどに加えて、ダイバーシティへの配慮に関する質問項目が多々あり、「特定の人々ばかりが質問していませんでしたか?」や「学会期間中に何か不適切な行為を見ましたか?」という内容の質問が含まれていたこと。開会のときのGRCのCEOのビデオメッセージにも呼応する。元NSF長官のリタ・コルウェル先生の自叙伝『女性が科学の扉を開くとき』(拙監訳、東京化学同人)に、学会期間中に女性だからという意味で差別的な扱いを受けたエピソードがいくつも書かれていたが、常にウォッチするという姿勢が必要なのだろう。

不適切な行動をレポートするのに、アンケート以外に、My GRCという自分のサイトにも「Report a Violation of GRC Code of Conduct」というリンクが設けられている。
最終日のランチ前の写真撮影。参加者の名前がちゃんとわかるように、後で写真での位置と名前のリストが提供された。これも大事なネットワーキングのためのツール。

最後の晩餐

学会最終日のディナーのみ、シッティングでサーブされた。以前のGRCや他の同様のミーティングでも、東海岸で行われる際は最終日ディナーにはロブスターが振る舞われるのが恒例だった。塩茹でのロブスターに、バターソースを付けていただくのだが、「マイ醤油」持参の日本人リピーターもいたことを思い出す。

トスカーナでのGRCのメニューは、前菜が生ハム&レモン。この生ハムは普段のビュッフェとは格の異なる上質なもので超美味。次がアスパラガスのリゾット、メインは仔牛の脚のローストで、サーブされる前に丸ごとが披露された。デザートはGRCのロゴを飾ったミルフィーユ。白ワインも美味しかったが、最後の赤はベリー系の香りでとても美味しかった。ラベルを控えられなかったのが残念。
 
最後の晩餐のテーブルはCarol、河崎先生、お名前覚えられなかった米国在住中国系の女性研究者、UCSFのMercedes ParedesさんとMinoreeさん、私の6名で囲む。前菜の生ハムは、普段の食事に出てくるものとグレードが異なる絶品だった。アスパラガスのリゾットの後、メインコースは仔牛の腿肉のローストが皆に披露された後にサーブされた。この日はワインも赤白両方。Carolは皆のロールモデル。和やかな話とともに食事もワインも進む……。

最後の晩餐のテーブルは左より右へ、金沢大学の河崎洋志先生、コロンビア大学のCarol Mason先生、正面の方はお名前忘れ、UCSFのMercedes Paredes先生(ミニブタを使っていた方)、コロンビア大学のMinoree Kohwi先生(ご両親は日本人、写っていませんがお嬢さんが後からやってきました♬)。前菜の生ハムは絶品★★★
ママといっしょにいたいお嬢さん♬ 仔牛の足のローストが披露された後にサーブされました。ケーキも同様で、GRCのロゴがあしらわれていました。河崎先生が急なご用事で席を外された後に、Linda Richards先生がCarolにお別れのご挨拶をしに来られました。

帰路で再開を祈って

最後の朝食をいただいた後、チャーターバスにて再びフィレンツェ空港へ。待っている間に、「また会いましょう!」の挨拶が各所で飛び交う。2年後のGRC on Neural Developmentは米国東海岸のSalva Reginaでの開催。次のトスカーナは4年後となる……。

朝食でいただいたリコッタチーズも美味しかった。フルーツウォーターが流行っているらしく、毎日3種類ずつ用意されていた。チャーターバスを待つエリアは学会会場の外のエリア。
アペニン山脈を遠くに見るこの景色も見納め……

【番外編】机上で見た映画やドラマ

往路は夜中便で、搭乗直後にお休みタイムだったため1作のみ。『Upgraded』という配信専門の映画で、邦題は『アップグレード:どん底女子の幸せ探し』と説明的。ニューヨークのオークション会社でインターンを務める若い女性が主人公のラブコメ。急にロンドン出張の上司に同行することとなったヒロインが、偶然にファーストクラスへアップグレードされたことから、ドタバタの物語が始まる。アートが多数出てきて面白かった。

 復路では、まず、ずっと見たいと思っていた『Barbie(バービー)』を見て満足。ダイバーシティにいついて考えるとともに、個々のディテールを楽しんだ。

2つ目は『Challengers』というテニス物。試合中の怪我で自身がプレイヤーとなることを諦めた女性が、コーチとして夫とともにグランドチャンピオンを目指すものの、陥っている全米大会への足がかりをどうするか画策する。試合の様子のカメラワークにスピード感があって、どうやって撮影しているのだろうかと思った。

一寝入りした後に観たのは、「キャプテン・マーベル」というキャラクターを信奉するゲーマー女子高校生が主人公の米国TVドラマ『Ms. Marvel』。イスラム系パキスタン人二世の高校生がひいおばあさんのバングルを手に入れたことをきっかけにスーパーパワーを得て、種々の問題を解決するというヒーロー+ラブコメディ+アニメ+ドタバタに、インドとパキスタンの「分離」という社会的・文化的背景が加わって、これもまぁ、ダイバーシティに配慮された番組となっている。一話完結ではなかったため、続けて3話まで見てしまった。

Wikipediaには画像が貼られていなかったので、こちらのディズニープラスのサイトをリンクしておく。

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