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📕喫茶店『果樹園』の新情報!【仙台の喫茶店文化史】のつづき #1

〜喫茶店『果樹園』に関する記事の訂正とご報告。

この春(2/23〜3/3)、日立システムズホール仙台にて、仙台レコード展vol.2『1980年代のレコードと、仙台の喫茶店文化を歩く』を開催した。

1981年、全国的に喫茶店の数がピークに達したその時代、仙台の喫茶店文化はどのようなものだったのか、80年代のレコード展示とともに、タウン誌の手描きのマップに当時の仙台市中心部の喫茶店のマッチを貼付、皆さまには昭和の青春時代を回顧し楽しんでいただいた。

さらに、『仙台の喫茶店文化史・昭和篇①』という記念冊子を制作、
その中で関係者への取材に基づき、喫茶店『果樹園』は1987年に閉店と記載したのだが、その内容が思わぬ事件に、、、

記念冊子 : 完売ありがとうございました。


レコード展の閉幕後、お客様よりご連絡をいただいた。
「果樹園は90年代半ばまでありました。私、働いてましたし」
「え、マジで?」
とはいえ、店の場所の記憶は曖昧だという。
ということで、改めて調べてみることに。

国会図書館で仙台市の職業別の電話帳を閲覧。
1988年から一年毎に、ひたすら喫茶店の項目ページをめくっていくと、

ありました。

確かに一店舗だけ営業していた。

注)電話帳でなく、コピーに線を引いています。

仙台レコード展では大変お世話になった『珈巣多夢』の上に、『果樹園中央通り店』との記載があります。

住所の青葉区中央2-6-7-2Fは、クリスロードの常陽銀行の向かい側、今の韓国料理ソウルオモニのところ。
ビルの不動産屋さんも、2階に果樹園が入っていたことを覚えてらっしゃいました。

ちなみに不動産屋さんの話では、1980年代末までこの2階では、ある有名な喫茶店が営業をしていたそうです。
覚えていらっしゃる方、いますか?

そう、
『カフェ ドゥ あんだんて』です。

マッチの内側には、世界の珈琲とサンドウィッチ、本格的ヨーグルトの店との表記があります。

『果樹園』は『あんだんて』が店をたたんだあと、そのあとを継ぐ形で営業を始めたのでした。

しかし1998年の電話帳をめくると、そこにはもう『果樹園』の名前は見当たりません。

今回の冊子の作成にあたり、アンケートの回答者の約8割がその名を挙げた、仙台の一番の思い出の伝説の喫茶店『果樹園』は、確かに1997年まで営業していました。

喫茶店『果樹園』は、その名の通り、フルーツをメインにしたメニューで1970〜80年代の女子高生や女子大生たちを魅了しました。
銀座の千疋屋をモデルに創業され、当時の仙台では珍しかった大ぶりなフルーツやチョコレートケーキが大の人気だったとか。

おおまち商店街『雪村』の『雪村ビューティー』や水晶堂地下の『ピーコック』のアイドルセットなど、女性の方は当時の人気メニューやまちでの出来事をよく記憶されている!
しかもその記憶は断片的だが、鮮やかに蘇る。

それは、喫茶店が単なる飲食の場ではなく、まちの文化を作っていた時代に、喫茶店という空間が人々の暮らしの中で果たしてきた役割を思い出させてくれる。
が、そんな話はまた別の機会に。

この度は冊子内に誤情報があり、大変失礼しました。
ご連絡をいただきました、K様にはこの場を借りてお礼申し上げます。

※この『仙台の喫茶店文化史』のつづき、では、冊子のつづき〜昭和篇②を書いていきます。

お時間のある時にでも、ご笑覧いただけますと幸いです。☕️


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