仙台駅前の青葉通社会実験 若い世代ほど好意的
2022年秋、仙台駅前の青葉通で行われた社会実験。駅正面の目抜き通りで片側3車線を規制し、市民の憩いや交流の場として「開放する」試みは多くの注目を集めた。市がこのほどまとめた検証結果によると、若い世代がより好意的に捉える傾向が明らかになったという。
記事でも強調されている通り、課題の一つは渋滞対策である。バスやタクシーなど、駅前に乗り入れる必然性のある事業者から、改善を求める意見が出るのは当たり前のことと思う。
だが、本当の課題は「渋滞」そのものなのだろうか?とも感じる。確かに、「車道を減らされる」ことに対して、仙台市民の拒否感は根強いものがある。自家用車の分担率が高く、都心部に交通需要が集中しがちな都市構造ゆえ、ただでさえ悩まされている渋滞にはもう懲り懲りなのだ。私もドライバーの一人として、ただ渋滞がひどくなるだけの施策には同意しかねる。
…ということを踏まえて、である。仮に完璧な渋滞対策を施したとしても、市民は車道空間を再分配することに心から同意するのだろうか?
思うに、最大の課題は、実現したい未来をより明確な線で描くことではないか?
正直なところ、今はまだ、車道を明け渡して手に入る未来がぼんやりしており、ほとんどの市民の心を動かせていないように感じる。
若い世代は好意的だったのであれば、とりあえず、社会実験の先に目指す方向性については「良さそうだ」と思う。あとは、明るい未来に皆をどんどん巻き込んでいってほしい。社会実験の期間中、駅前の表情は確かに明るく変わったのである。その効用に比べれば、万が一、愛宕上杉通から広瀬通への右折待ちが長引いたとしても「まあいいか」と思えるはずだ。
青葉通の社会実験については、ぜひこちらもご一読願いたい。
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