【千田琢哉の頭脳】Vol.0531(2010年7月19日発行のブログより)
創業して23年間ずっと大企業の下請けをやってきました。紆余曲折があったにせよ、ほとんど赤字も出さずにここまでやってこられたことに対しては満足するとともに感謝しています。ただ、ここ7,8年くらいは斜陽業界ということもあって親会社の業績もよろしくなく、まったく先が見えないというのが正直なところで、運だけで切り抜けてきた面も多々あります。これは直感ですが、数年以内に受注が激減するため、自社でもオリジナルの商品を開発できたらいいな、と切望しているところです。従業員数だけならうちと同レベルのメーカーはうちのような下請け専業とは比較にならないくらいに人材も優秀で、収益性も何倍、何十倍も違うからです。そんな会社に育て上げるのが、私の生涯の目標でもあります。
(長野県・会社経営・Yさん・男性・56歳)
幸いなことに、様々な業種業界とお付き合いさせていただいて気づかされることがあります。
どんな斜陽化業界においても、
圧倒的に伸びる会社とそうでない会社があるのです。
例外はありません。
これは、これから先にそれらを目指すのであれば
非常に有効な情報かもしれません。
出版業界にいても、教育産業においても、金融業界においても、
飲食業界においても、抜きん出てくる会社すべてに当てはまるのは、
死ぬほど顧客の欲求を満たすことにこだわって
業界全体を変革させてしまおう!
というエネルギーの塊であることです。
変革とは、風穴を開けることです。
風穴を開けるには面積が小さくなくてはなりません。
同じ力を加えても表面積が小さければ何百倍、何千倍ものダメージを
与えることができます。
つまり尖っていなければ穴は開かないのです。
子どもが先の丸い棒でいくら風船を割ろうとしても、
なかなか割ることができません。
ところが、針なら一瞬触れるだけで風船を割ることができます。
大所帯では先の丸い太い棒です。
先を尖らせるには、少数精鋭でなければなりません。
究極の少数精鋭は、1人です。
評論家も学者も作家もアナリストもコンサルタントも、
徒党を組んだり派閥を作った瞬間に発言に魅力が一気になくなります。
実力以外に様々なしがらみが発生するからです。
人類最強の哲学者だったニーチェは孤独でした。
宗教や政治や学界のタブーに次々と挑戦し続けたために、
楽して甘い蜜を吸っていた権力者たちから様々な嫉妬ややっかみ、恨みを
買ってほとんどの事実が捏造されてしまっています。
あまりにも本質を衝き過ぎたためです。
会社であっても業種業界に風穴を開けるのは、
いつも少数精鋭組織なのです。
少数精鋭組織の特徴は、
まずトップが圧倒的な勇気を持ちあわせていることです。
続いて、業界のリーディングカンパニーから転職してきた逸材が数人、
仮にそれが地獄の超特急であったとしても裏切らない使命感に燃えて
ついて行っていることです。
このまま行けば、正統派のエリート社員としても十分通用していたのに、
あえてベンチャー人生を歩むことを誓いあった者同士の少数精鋭部隊です。
もちろん単なる普通の零細企業を少数精鋭と呼ぶことはできません。
風穴を開ける少数精鋭部隊のベンチャー企業と
普通の零細企業との決定的な違いは何か。
それは、トップの勇気と知恵です。
現実問題として、トップの勇気と知恵に数人の突出した人材が集えば
怖いものはありません。
映画「60seconds」から教わることは多いのです。
この映画をアンジェリーナ・ジョリーの美貌やニコラス・ケイジの演技、数々の高級車にうっとりするだけでは、あまりにももったいないです。
多少なりとも勉強熱心の方であれば、
数年前からすでに業界においては注目されているように、
次のような会社は少数精鋭部隊と呼ぶにふさわしいのです。
ほんの一部を紹介しておきます。
保険業界
http://www.lifenet-seimei.co.jp/
出版業界
http://www.d21.co.jp/
コンサルティング業界
http://www.dreamincubator.co.jp/
教育業界
http://www.naist.jp/
メーカー
https://www.juken.com/
デザイン業界
http://www.digical.co.jp/
こうして見ると、もともと東京生まれではない人が多いことにも
気づかされます。
市場が縮小しているのであれば、自分が市場をクリエイトして
再構築していけばいいんですね。
...千田琢哉(2010年7月19日発行の次代創造館ブログより)
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