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【大使館専門調査員】1次試験、小論文の対策

書類の提出を済ませて、しばらくすると1次試験が行われます。私が受験した2023年秋は、東京と大阪の2会場から選択でき、私は東京にしました。

1次試験は受験国/職務に関する小論文と語学試験です。小論文はインターネットで調べても、過去の情報はほとんどなく、どう準備すれば良いのかとても頭を悩ませました。

試行錯誤するなかで、役に立った対策はつぎの3つでした。


①外交青書を読み込む

私は大学院で国際関係学を専攻したとはいえ、受験国の政治・外交知識はほとんどありませんでした。まずは、概略を理解しようと思い、過去5年分の外交青書をダウンロードし、読み込みました。

各国の政治や外交の動向は、色々なサイトや本でも、もちろん提供されています。ですが、今回は専門調査員の試験であり、私は日本政府の見解や立場をしっかりと理解(代弁)することが大切ではないかと考えました。つまり、日本政府がそれぞれの国に対し、どのような外交上の課題や目標を立て、外交戦略を展開しているのか、という点です。


②大使館HPを確認

①とも関連していますが、やはり受験国にある日本大使館のHPも重要です。どういった要人が往来しているのか、交流が行われているのか等、最新の様子が分かります。


③日本と受験国の間で締結された条約や、開かれた会議をまとめる

①②のステップを経ると、いくつかのキーとなる政治・外交上の出来事があることが分かってきます。例えば、日英関係であれば、日英包括的経済連携協定(2021年発効)日・英部隊間協力円滑化協定(2023年発効)などが挙げられます。
こういった政治や外交のトピックを重点的におさえ、必要であればさらに詳細に調べました。


専門性よりも、実は重要かもしれないこと

私は受験国についてこれまで研究してきたわけではなく、専門性はほぼ皆無でしたが、①~③で一応、受験国に関する最低限の知識と理解を身につけられたと思います。

とはいえ、どこまでの専門性が求められているのかは、正直よく分かりません。というのも、私のように受験国とは異なる公館に派遣されるケースも多々あるからです。つまり、試験で回答していない国です。

あくまでも、私の憶測ですが、小論文で測られているのは、職務に関する最低限の知識や理解と、それ以上に文章力や思考力、のように感じます。

つまり、限られた時間の中で、設定されたテーマについて、読み手に配慮した読みやすい文章を書きあげられるか、ということなのではないでしょうか。

よくよく考えると、外交のプロフェッショナルは外交官ですし…。
もちろん、文章力や思考力に加えて高い専門性があれば有利なことには変わりありませんが。

「長文書くのは慣れていないな」「手書きで最近文章書いてない」という方は、もしかしたら何らかのテーマで書く練習をしてみてもいいかもしれません。簡単に文章をコピペしたり、削除したりできないなか、長い文章を書くのは意外と大変でした。

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私は①~③の対策で、おおむね事足りました。付け焼き刃だった気もしますが、少なくとも小論文を埋めることはできました。とくに、外交青書はおすすめです。

次回は、実際の試験のようすを書きたいと思います。


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