まことしやかな輝き
この空は、まだ夏の星かな。
それとももう、冬の星かな。
秋の夜風は日に日に冷たさを増している。
今から一番遠い春を思い出すように星を眺めていた。
あの星から僕の住む星を誰かが見ているだろうか。
そして、あの星でも僕と同じように思っている人はいるだろうか。
そうしたら僕らは、互いに前から知っていたような気持ちになれるのかな。
ううん、そんなのは夢のまた夢。
指で輪っかを作って、望遠鏡を覗くみたいに星を見た。
目から手を離したり近づけたりしても星の見え方は変わらなかった。
その輪っかを口元に持っていって、星を吹き矢の的にした。
プッと一発で、この愛すべき冗談に別れを告げた。
家に着くまで歩く間、まだ夜空は僕の後を付いてくるだろう。
けれどそれくらいなら、まあいいか。