【トランスフォーマー ONE】床ギトギトだけど、パンチ効いたうまいチャーハンを出す町中華みたいな満足感
まさに「こういうのでいいんだよ。こういうので。」と、孤独なサラリーマンが言いそうなくらい、いぶし銀なストーリーテリング。
「汚いからやだ」とかいうやつはお呼びじゃない。そういうやつは「ウニと塩トリュフソースのジェラート」とか出す寿司屋にでも行ってボラられてこい。
大将は我々のようなどうしようもない人間でも手が出る値段で満腹にしてんだぞ。
あ、全部比喩ですよ?そうそう比喩ね。
あらすじ
手練れが作ったスピンオフ
正直、自分はトランスフォーマーの熱心なファンってわけではない。マイケル・ベイ監督の映画シリーズと「バンブルビー」を一応観てはいるけど、アニメ等は存在を知っているくらいの知識量。
勢力図やキャラクターの判別も結構あやふやな状態だったけれども全然楽しめた。
このぐらいの熱量な自分がこれだけ楽しめたのだから、長年の熱心なファンはどうなってしまうのだろう、、少しうらやましい気もする。
もしいたら感想をコメントくださいまし。
ちなみに今回は寝坊をして字幕版で観たが、吹替版もぜひ見てみたい。
字幕版の声も、オプティマスプライムはクリス・ヘムワーズ、エリータはスカーレット・ヨハンソンとなかなか豪華だった。
ヒーローとヴィランの分岐点
この映画の一番伝えたい部分は多分ここなんじゃないかと自分は消化した。
つまり、「大きな力を得たとき、それをどのように使うのか」ということ。
オプティマスプライムは団結のために使い、メガトロンは破壊のために使うことになる。
ここから、トランスフォーマーの本来の勢力図になっていく起点を丁寧にまっすぐに描いた作品。
実際「なんのとりえもないが勇気だけは持っている人が何かを成し遂げる」設定も、「大きな力を持つものが、裏切りや憎しみから闇に堕ちる」という手垢が付きまくっている設定を、こうもうまく盛り込んでワクワクする冒険譚に仕上がってるのはマジですごい。
自分が「この映画いいなあ」と思ったのは、メガトロンが闇堕ちする流れがとてもスムーズというか違和感がなくて納得できるところ。
友情の証で拳を突き合わせていた二人が、憎しみを持って殴り合うまでになってしまうのが切ないけれど、どうしようもないよなっていう感じ。
昔の古き良き、勧善懲悪なストーリーに厚みが増していく感じはとてもわくわくするし、長編シリーズを追っていく醍醐味だなとつくづく感じました。
わんこそばムービー
上映時間は105分らしいが、その間に怒涛のエンタメが詰まっていて、全く飽きさせる気がない。
むしろ、わんこそばみたいにこっちが食べ終わるまで待ってる勢い。
間髪入れずに次の盛り上がりで、「そんなことあるわけないだろ」っていうツッコミがもう野暮。
最近は政治的な意図が含まれていたり、「価値観の拡張」的なお話に正直うんざりしかけていたので、純粋無垢な「娯楽映画」が観られて大変満足でした。
終わりに
どうやらネットフリックスでもアニメトリロジーが配信されているらしく、主は全部観るつもりです。
しばらくはセイバートロン星にいるんで探さないでください。
それでは~