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好きな小説:001[悪の教典]

タイトルと本の概要

『悪の教典』(貴志祐介 著、2010年)は、一見完璧な教師が、その裏で狂気に満ちた本性を隠しながら、徐々にその本性を露わにしていくサスペンスホラー。倫理観を揺さぶる内容と、息を呑むような展開が話題に。

読んだきっかけ

書店で平積みされており、ジャケットが自分の好みであったため。
確か「新世界より」この後に買うが、このときもジャケ買いで、後からこの2つの作品が同じ作者の作品であることに驚愕した記憶がある。全然ジャンル違うのに、どちらの作品も面白くて驚いた。更に大竹しのぶの狂演でおなじみの「黒い家」も貴志祐介さんで更に驚いた。そのころ、作品を生み出した作者の存在をある意味ないがしろにしていたので、(キャラはスキだけど、声優は知らない的な?)ほんとにびっくりしたし、今でも同じ作者であることが信じられない感じはある。

印象に残った部分 


 サイコパスの視点で物語が紡がれていく構成が斬新で引き込まれた。クリーチャーに襲われるという根源的な恐怖を味わう物語ではなく、何か見つかってはいけない悪いことをしているときの興奮のようなものをこの作品からは感じられたと思う。確かに、襲われる視点も存在するのだが、基本誰かを襲っている視点の描写が多かった記憶。

 生徒や教師たちがハスミンを慕う理由も理解できるぐらいサイコパスが表に出ていないハスミンは良い教師そのものだ。でも、そのハスミンを怪しんでいる教師がいるのもなんかリアルだった。その教師もサイコパス判定されてたような記憶があるなぁ。

 幼少期ハスミンの回想では両親がマジで不憫だった記憶。子どもの異常行動ってある程度幸せになれば鳴りを潜めるもんだけど、ハスミンはしっかりサイコパスで頭が良いから邪魔になったら何でもして、証拠も残らないようにするんだから読んでてひぇーって思った。

 普通の状態の人間は問題解決の際に殺人という手札はないのだけれど、ハスミンはそれが常に手札の中にあり、その手札を躊躇なく使えるのがサイコパスなんだなと当時思った記憶。スヌーピーも真っ青。

海外生活ハスミンは今思うとちょっとアメリカの強キャラ感が異常だったような気はする。ハスミンは日本に戻ってこなくてよかったよ。まじで。
今ふと思い出したけど、アメリカから危険人物判定されて追放されたんだっけ?アメリカ人ハスミンに対してなんて言ってたかなぁ。

 ラストも好き。あのハスミンの変わり様を見て生徒の抱く負の感情も合わせて好き。

感想・気づき

後で役立ちそうなポイント

全体のまとめ

もう10年ぐらい前に読んだ作品な気がするが、思い出そうとすればちょっとは思い出せることに滲む嬉しさ。ある程度今まで読んだ小説の感想を書けたら、再読しよ。


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