我が“姉”に捧ぐ。
君は いつも
物憂げに窓の外を眺めていたね。
小さな君とはじめて出逢ったとき、
君は 震えていた。
小さな手、ちょっぴり垂れた目が
涙をいっぱい溜めていた。
私が、君の名前を付けた。
家族みんなで
君の名前を呼んだけれど、
君はいつも面倒臭そうに振り返った。
だけど、「ブス」って言うと
怒ったように無視をした。
からかうと、必ず後で仕返しされた。
お風呂が大嫌いで、
私とすぐ下の弟とで入れてあげたら
ずーっと口を聞かない。
諦めてほっとくと、
ちゃんと私と弟、別々に謝りに来てくれたね。
君は、本当に用心深い。
いや、ビビりだった。
だからこそ、みんなが守って
みんなが愛した。
無愛想な顔で、
むっつりしたまま誰か彼かに
寄りかかりながら眠った。
美人でもハンサムでも勇敢でもなかった、
だけど、私たちみんな
君が
大好きだった。
誰にも告げずに
遠い旅に出てしまった君。
きっと、
幸せになったね。
ありがとう。
君が
いつまでも大好きだよ。
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