スポーツ観戦を趣味にする人々 ユースと部活と降格

2022.4.22にライセンスについてチームからリリースがあったので、追加で張っておきます。
また、島田チェアマンも青森を訪問してくださり、リーグ・チーム・自治体・地元バスケ関係者との連携に力添えくだりました。
以下のnoteは、これらのリリース前の感想文だなと思って読んでくださるようお願いします。
2022.4.23追記
https://twitter.com/aomori_wats/status/1517481083088281600?s=20&t=b7J1NWTtKDMG6EhRsR2Wlg


以下追記前

「部屋とYシャツと私」みたいにしてみました。このネタまだ通じますか?
というわけで、勝率云々以前に「Bリーグに参加しするのにそれはどうなの?」って部分で降格の危機がやってまいりました。


期日までに登録に至らなかった要因としては、当時の青森ワッツU15登録選手が中体連への登録を優先しなければならない状況にあり、B.LEAGUEが定めるU15選手登録条件の「他チームに登録することができない」に反することから、選手登録が難航し期日までに10名以上の登録を充たすことができないという事態になってしまいました。

北谷社長コメント

アンダーカテゴリーの整備の意義について

Bリーグというかbjリーグの時代からアンダーカテゴリーの整備というのがリーグに不可欠ということで、スクールやユースチームを整備してきた各チーム。

指導と育成の向上の為にももちろん必要なんですが、人口ピラミッドを見てもわかるとり、15才以下の人口はもはやマイノリティともいえる位まで減っており100年続くリーグを目指すbリーグとしてはリーグの存続以前に競技の存続すら問われる事態が今後予想されるのです。

というわけで、来るべき超少子化に向けて急ピッチでアンダーカテゴリーの整備を進めているわけです。と、私は思ってます。青森県は現在、ミニバスは複数校でチームを作らなければ成り立たないレベルまで人数減ってますし。

そう、整備できなきゃ鉄拳制裁も辞さない。

青森ワッツアンダーカテゴリーの整備について

ここで、ざっくりと青森ワッツのアンダーカテゴリーの活動について。
これは、私が見聞きした範囲なので本当にざっくりですが。

スクール活動

青森ワッツは当初bjリーグとして発足したわけですが、ほどなくしてスクールを設立。八戸・弘前・青森という主要3都市に当初設立されたのですが、このように県内全域にスクールを展開するバスケチームはおそらく初。その後、おいらせ(北向選手の出身地)、五所川原(下山大地の出身地)にも展開しスクール事業はワッツの中でも重要な立ち位置へと。

バスケットスクール | 青森ワッツ (aomori-wats.jp)

対象年代は、小学生を低学年・高学年に分けての開催。
青森県は小学生のスポーツ少年団は学校単位の部活が参加する形をとっており、低学年の部は盛況でしたが部活が始まる高学年はやや人数が少なかった印象が。
そこでワッツは「個人技のスキルアップを」という事を前面に押し出し、あくまで「お稽古事」という立ち位置をアピール。
ちなみにこのあたりに駒沢颯がスクール生だったのかな。八戸は、前身となるバスケスクールが存在しており、市内でも上手い子たちが参加していたような。

bjリーグからbリーグへ

当初、小学生の部門がメインだった(中学生部門がない地域もあった)スクールはその当時にスクールに入った子たちの進学に合わせスクールも中学生部門を設立。
このあたりでBリーグに変更になったのでユースチームも同時に発足。

パートナー | 青森ワッツ (aomori-wats.jp)

このパートナーにある「アカデミーパートナー」というのは、スクールやユースチームのためのスポンサーさんです。
こちらのパートナーさんは、ユース設立直後からワッツのアカデミー部門を支えてくれており、ワッツのアンダーカテゴリー整備については 順風満帆。

が、この時のユースチームの売りは
選手登録がいらないので部活と両立できます
というものであり、それにより市内でも「もう少しバスケをやりたいな」という子たちが集まりレベル的にも市選抜クラス以上の子たちがちらほらいるような。

こちらの伊藤和希選手はその後開志国際へ進学、その後秋田銀行の女子バスケ部へと進んだはず。

ちなみにトライアウトもきちんと行っており、だいぶハードな内容で部活の成績には忖度せず基準に満たない子たちは落とされていました。

本格的なユースチームの活動へと

そんなわけで順調にいっていたようなアカデミー部門でしたがここでより本格的なアンダーカテゴリーの整備を推し進めたいBリーグアンダーカテゴリー。
そう、ユースチームでも選手登録が必要になったのです。

この選手登録をすることによって各種公式試合に参加できるのですが(中体連とか)、二重に参加することができないためクラブチームに参加する子は学校の部活のチームとして参加できないという事に。
中体連は通常6月から開始。

中学生活における部活

部活動とは、学校生活に任意の活動であるのですが青森県はほぼ全員加入。

部活動の時間:放課後の生活時間調査(速報版) - ベネッセ教育総合研究所 (benesse.jp)
強制ではないけれども、なんというか、ね?わかるでしょ?ってやつです。

部活と中学校生活

これは保護者の思い込みと一部教師の思い込みも多分にあり、ある年代の層が抜けるまではまだしばらくあるのではと思うのですが中学校生活における部活の存在について。

・スクールカーストにおいて運動部は上位
・その中でもバスケ(スポーツ少年団があり、小学生からあるスポーツ)はヒエラルキー上位。
・中体連は部活単位で活動(文化部も)するため、その時に無所属だとぽつん(対策している学校もあるかもしれないけれども、仲が良い友達と活動できない)
・運動部に所属していると内申点が良くなるという思い込み(本来、各種大会上位は特記事項に書かれるが、普通の部活の活動だけでは高校進学あまり関係ないけれども根強い「運動部は内申点に良い神話」がある)
・親世代のいじめの記憶(文化部をばかにしてたよね?みんな)

と、このように(私の思い込みメイン)、「なんの部活に所属するのか」というのはその子の学校生活における立ち位置までも左右する非常に重要なことなです。

運動と進学

ここでもう一つ、世の中には「スポーツ進学」という進学方法が確実にありスポーツにその身をささげている子たちにとっては「どのチームに所属すするか」という事は非常に重要。そりゃそうですよね、勉強で進学する子たちも、成績と進学率でその進路を決めますよね。
勉強で進学する子たちが遊ぶ時間を削って勉強するように、スポーツでの進学を目指す子たちもまた、子供時代の貴重な時間をスポーツに費やしているのです。

クラブチームからのスポーツによる進学は可能なのか

現状、バスケにおいては「部活に所属していなかったけれどもユースチームから有名な高校・大学に進学できました」という子はどれくらいいるのでしょうか。
それ以前に「どのようにスポーツで進学しているのか」というが謎なのですが、例えば勉強での進学のように「受験当日の得点または、研究成果をまとめて資料を提出するAO入試方式」ではないことは間違いないのでは。
そこには各種大会での目覚ましい活躍が必要なはず。

中体連、全中参加資格の変更を検討 少子化に対応、民間団体所属でも出場可能に - サンスポ (sanspo.com)

中学最大の大会である全中は、2023年度から部活以外のチームの参加も可能に。本格的な運用は2024年になるのではという見通し。
という事から、現時点でクラブチームに所属することが進学にどう影響するのかという点は非常に怪しく感じるのではないのでしょうか。

中学生が部活を選ばずクラブチームを選ぶという事

以上のことから、中学生がクラブチームを選択するという事は
・それまで所属していたカースト上位の世界から零れ落ちるかもしれない
・スポーツで進学できるかわからない
という点と、己の力量を天秤にかけてそれでもなおクラブチームに所属するメリットがなければいけないのではないのでしょうか。
これはなかなか思春期における選択としては難しいのでは。

あと、これが一番大きい問題ですが「バスケットはチームスポーツである」。
バスケットをやっている子は大体ミニバスから参加しており、中学も公立が主体なのでそのままチーム持ち上がりというのがほとんど。なのでミニバスから強いチームは中学でも強い。
もしくは伝統的に強い中学だったり、ミニバスの成績上位チームで仲良くなった子たちが越境して強い中学に集まったりという事がままあり、そんな感じで強豪チームが出来上がっているのです。

クラブチームを選択するためには

というわけで、この「ユースチームと部活と降格」問題は非常に複雑な様相を呈しており、っていうか部活とユースチームというだけでもややこしいのに、そこに降格が絡んでくるという。
Bリーグとしては、リーグが整備することによってクラブチームと部活の問題に切り込んでいきたいのかもしれないけれども、それって現場(各チーム)に「できなかったら罰を与えるからよろしくね(に見える対応)」で良いのでしょうか。

青森ワッツができる対策

少子化について

青森県は、人口が主要都市3市に分散されており、そのせいもあってクラブチームに人を集めるのが困難に。ただでさえ少ない人口がおよそ3つに分散されているのです。
ユースチームの拠点がある青森への移動時間は
青森ー弘前1時間
青森ー八戸2時間
これに冬季は雪によりおよそ1.5倍から2倍の時間がかかる羽目に。
そして、県内でバスケの強豪チームがあるのは弘前方面と八戸方面。その地域からも参加しやすくかつ参加するメリットを作ること。
移動における時間的・経済的なデメリットの解消。
思い切って拠点をどちらかに移してしまう。というか人が集まったところを拠点にする。
あるいは各地で練習して合同練習するスタイル(チームスポーツなので難しいだろうけど)。

スクールカースト上位と同等の価値を提示

具体的にはトライアウトの復活(というていにしておいて、人数確保にはうん、ねぇ、わかるでしょ?)。と有名選手の引き抜き。
できれば新中1の子たちを「一緒に作り上げよう」という形で集められれば3年間存続できるのでそこを狙う。
そのためには有名監督や指導者が必要になるのですが。
正直堀田さんがいてくれて堀田さんがたまに顔を出したりしてくれたりすれば、結構売りになった気がしなくもない。中学のチームにおいては、外国籍HCより日本人HCの方が保護者世代にもアピールしやすいですしね。

どの大会にどのように参加できるのかはっきりと提示

これは、はっきりわからないのですが、クラブチームって中体連に参加できるのでしょうか。
その辺をはっきりさせて、どの大会でどの順位を目指しているのかはっきり提示しましょう。
ここで大事なのは、「ぶっちゃけスポーツ進学目指すほどでもないし勉強メインにしたいから煩わしい部活はやりたくない」って子も世の中にいるのです。
この際思い切ってその層をターゲットにするのもありかなと思います。県内トップ高を目指すお子様のご家庭は、習い事等にお金を出すことに抵抗が薄いはず。その層を重点的に口説くのです。え、トライアウトで有名選手?いや、もちろんその線もしっかり維持しつつです。なにかを成し遂げる為には二枚舌…もとい複数の線が必要です。
その活動どのくらいの負担であれば良いのか、ヒアリングをしっかりしましょう。

リーグに問いたいこと

Bリーグのアンダーカテゴリーはどこを目指すのか

「いや、ほら、サッカーあるからわかるじゃん?いままでバスケもユースあったし」ではなく、はっきりとその夢を提示しましょう。
大体の人はサッカーを見てからバスケを始めるわけではありません。サッカーの事情なんかしらないのです。
今現在、ユースの大会はどのくらいメディアに取り上げられているのでしょうか。そして、それは中体連並の扱いでしょうか。
いや、それはまだ発展途中なので。というのであれば、もっと夢を語ってください。急ピッチで物事を進める為には物語が必要というのは現チェアマンもよくご存じなはず。

ぶっちゃけ中体連終わってからじゃだめ?

急にぶっちゃけたお願いなんですが、それじゃだめでしょうか。
青森県はここ数年で、北向選手やKYONOSUKEがクラブチームを立ち上げるなど、やっとクラブチーム文化ができてきたところなのです。
この、元選手達の頑張りとともにワッツももう一年頑張るチャンスをいただけないでしょうか。
そして、これはワッツだけではなく北向選手やKYONOSUKEなどの他のクラブチームにも関わって来る問題で、今ここで「ユースチームが集まらなくて降格」というニュースは
「クラブチームはやっぱりうまくいかない」
と思われることにもつながりかねない。

どのみち、来期は自動降格2チーム。おそらくワッツは来期もその筆頭候補になるであろうけれども、「ユースチームがだめで降格」という印象になるのは避けられるものならさけたいもの。

そう、青森県のアンダーカテゴリーの発展にも関わってくるのです。

まとめ

というわけでこの、ユースチームと部活と降格という問題は
・部活動強制
・スポーツ進学
・学校生活の立ち位置
などが絡んでおり、一番簡単な解決方法は競技人口が飽和になることなんですが、それも少子化によって難しい。
アンダーカテゴリーの整備は少子化に備えるために急務であるという事なのはわかるのですが、それはチームの努力だけでなしえることができるものなのか。
また、それができなかったときに「できななかったから降格ね」というのは本当にアンダーカテゴリーの整備につながるのか。
できなければ振り落とす方式は、人口が多い場合には有効ではあるけれども人口が減っていくときには果たして効果があるのだろうか。

私はこの、ユースチームと部活と降格について、大きな問題が絡んでいることに目を瞑って「でも、必要だから頑張ってね。」と言われているように感じるのですが、どうでしょか。




来年またなにかやれたらいいな