NAGAのモヤっとする一打〜13日目〜
この記事は
【麻雀】NAGA牌譜研究 Advent Calendar 2021 - Adventar
の13日目の記事です。
今日の何切る
こちらの牌譜から。
東三局。トップ目で2件リーチを受けています。
こちらもテンパイしています。現時点では小三元確定ですが、対々和や三暗刻…というかMAX大三元まで見えます。
トップ目で2件リーチで満貫テンパイ。押し引き難しいところですね。
さて、ナーガくんの選択は次のうちどれでしょう?
7s
白
9p
答えは…
漢NAGA、一歩も引かない7sプッシュです。一発目ですが、強気に行きましたね。
まぁトップとはいえ32800点ではセーフティリードではないですね。このチャンスは逃したくないという判断でしょう。片方のスジ牌だし、ダブロンなさそうなのでまぁヨシ!
レポートを見ても7s一択のようです。ここまで危険度の高い牌を推奨するNAGAくんも珍しいですね。
それでは次。
何と役満テンパイです。
白も發もおそらく通りますが、大三元のテンパイをとるには無筋の9pを押す必要があります。
安全に満貫を目指すのか…
それとも役満のロマンを追い求めるのか…
この2択ですね。
みなさんどうしますか?
まぁ大抵の人は役満テンパイに受けますよね。
正解は…
NAGAくんも当然、役満テンパイを選択しました。
白と發もほんの僅かに選択肢に上がっていますが、9p切り一択のようです。
NAGAは本当に何でもゼンツなのか
今回は押す牌が7sと9pでした。
まぁ何となく7sは片方のスジ牌だし、9pは端っこだし、押し通せないこともない気がしますね。
ではド本命の牌を切らなければいけないとしたら、NAGAくんの判断は変わるのでしょうか?
まずは配牌から9pの代わりに6mがあったとしましょう。
この時点で7sを押していません。テンパイなら押すけど、役満一向聴ごときでは押さないということでしょう。
流石に役満テンパイなら6mも押しますね。ダブロンに放銃となります。
それでは次は一発目に掴んだのが6pだったらどうなるのかを実験します。
放銃確率がどちらもMAXですが、それにも関わらず6p一択のようです。
このテンパイなら満貫だとしても、ダブロンも恐れずゼンツということでしょう。
最後に赤5sだったらどうなるのかを見てみましょう。
もちろんゼンツです。危険だろうと何だろうとこの手はNAGA的にはゼンツなのです。
NAGAにとっての役満の価値は?
正直、ここまで突っ張るとは予想していませんでした。Suphxならサッと發を並べて回っていそうな局面です。いくら役満が見えるとはいえ、この点数からリーチに放銃してしまってはトップ率がガクンと下がります。逆に安全に満貫アガるだけでトップ率はぐっと高まるような場面です。そんな無理しなくてもいいでしょ!
これは推測に過ぎませんが、NAGAは役満の価値を過大評価しているのではないでしょうか。役満だからといってダブロンもあり得る牌を推奨度最大に評価するのは何だかモヤっとします。別に突っ張るのは全然構わないのですが、打牌候補が一択というのは流石に違和感があります。AIならもう少し丁寧に候補が割れてもいいはずです。
NAGAのような麻雀AIにとって役満は結構クセモノな存在です。サンプル数が圧倒的に少ないからです。
タンヤオや平和などは腐るほど学習データがあるのでうまく最適解を見つけられそうですが、役満はそうはいかないでしょう。NAGAはきっと「役満をテンパイした人間の思考回路」をそのまま学習しているはずです。テンション高くなって押しすぎちゃった人状態なのかもしれません。
この辺はもっと研究しがいがありそうです。もう少し学習データの多い、役満ではないけど超大物手のテンパイ(清一色やドラ爆など)からどこまで押すのかを見ていきたいですね。
それではまた明日。