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東京旅行記。【首藤誠人】

ここは福岡空港。のベンチ。僕の横にはハットとサングラスとハーフのハーフくらい短いパンツを身につけたオシャレおじさん2人が座っている。その前で娘なのか親戚なのか知り合いなのか分からない女性がデジカメでオシャおじ2人を撮ろうとしている。最初はデジカメを横にして撮ろうとしていたが、納得できなかったのか縦にした。2人横に並んでるから横にした方が良いのでは。後ろに何か写したいものがあるのかと思い、周りを見渡しているかのように装って後ろを見たが、これといって撮りたいと思わせそうなものは見当たらない。また周りを見渡しているかのように前を向いて、ちらっとデジカメ女性を見ると、目が合ってしまった。不服そうな目をしている。
……え、あ、僕ですか。僕が邪魔で縦にしたりしてたんですか。どうもすみませんでした。すみませんね。
僕はトイレに行きたくなったかのように装ってその場から離れた。僕の方が先にベンチにいたんだけどな。



雨天のため飛行機が30分ほど遅延している。保安検査場は既に通過しているため外に出られない。暇つぶしになにか食べようかしらと思ったが、かけうどんでさえ650円。そっか外に出れない状態は経済が喜ぶんだった。食べるのを諦め、コンセントがある席に座った。近くにはテレビがあり、カウントダウンTVライブライブが流れていた。あの3人は転職したのかしら。2024年上半期流行った曲ランキングが16位、15位、、と次々発表されている。高校生まではこういうランキングは必ずチェックしていたので、流行っているのに知らないってどういう感覚なんだろうと思っていた。しかし、今はランキングを気にすることがない。2024年上半期のランキングでも僕の知らない曲もチラホラ確認できた。全員顔一緒じゃん人間が完成されていくまでの経路が見えた。とは言いつつ、さすがにトップ10の発表になると当たり前に分かった。どれも流行りすぎていてこの曲たちを知らないのはどういう感覚なのか分からない。トップ3になって1位何かなと考えていると、搭乗口が開いたアナウンスがなった。1位気になるけどしょうがない。3位まで見よう。
3位、全く知らない曲が流れた。
流行りを知らないのは年齢関係なく怠慢だと強く自分を戒めながら搭乗口を通過した。
ちなみに9位は4年前の曲『怪獣の花唄』。4年間も大勢の人の心に刺さり続けている。実質1位である。



深夜、お台場から新橋まで散歩した。やっぱり東京はすごい。福岡にあるすごい建物が東京ではいっぱいあるとかではない。福岡では見たことない建物が東京には普通に並んでいる。異世界に来た気分になる。ここに人が住んでいるってすごい。住みたい気持ちと怖い気持ちが同じくらい強くなった。

フジテレビの玉初めて見た




ホテルのチェックアウトを済ませ、目的地に着いた時に財布がないことが分かり、ホテルに確認の電話して、仕方なくホテルに戻る電車に乗って、ホテルからの折り返しがあり財布探したけどないと言われ、そんなはずないもうちょっと調べてって言って、バッグをあさると奥から財布が出てきた時の気持ちを、僕は今日知った。



深川不動堂という神社に行ってきた。ありったけの硬貨をお賽銭箱に入れた。おみくじは凶だった。文章を読んだ。救いようのない凶だった。



新宿の喫茶店に入った。カウンターに座ると灰皿を渡された。しまったタバコOKのところだ。別に気にしないのだが、今日に限っては人に会うので煙臭くなりたくなかった。
ここ、店主の人がとても無愛想。もしかするととても優しい方なのかもしれないが、僕には言い方がきつい様な気がした。バイトの人たちもとても気を使っている感じ。煙草と言い方で少し気分が落ちた。こんなことで落ちる自分にも落ちた。



ルミネtheよしもとに行った。グッズショップがあったので、YOKO FUCHIGAMIのファイルを買った。
ライブが終わった。芸人ってすごい。当たり前のように人を笑わせている。目の前にいる人を笑わせるために生きているってかっこいい。気分が落ちた救いようのない凶も笑わせられた。素敵な仕事。毎日行きたい。今から人に会う。

兼光タカシ面白かった





大学の友達に会った。久しぶりではないのだが見慣れない場所で会うってなんかすごく違和感。仕事について話した。仕事は楽しけどとても忙しくて病みそうとのこと。楽しくて忙しくて病みそうってどういう状態なのだろうか。社会人ではない僕にはまだ分からなかった。



すごく寝た。寝た。寝…zzz



神保町に言った。噂通り古本屋ばかり。僕はレコード屋さんに行った。僕はレコードを好きになると決めている。その1歩目を踏み出そうと思って寄ったのだが、色んな種類の音楽がありすぎて何をどう見ればいいのか分からない。松田聖子が綺麗なことしか分からなかった。1歩目を踏み出す入口から探さないと行けない。



空港までの電車。とても大きなキャリーケースたちを持った小中学生くらいの兄妹が僕の向かい側に座った。何泊したんだろうと考えているとその兄妹の隣3席がガバッと空いた。他に座る様子の人もいない。すると妹さんが右側を向いて手招きした。手招きの先にいたのはとても大きなキャリーケースを持った女性と男性。なるほど両親か。妹さんが席が空いたからこっち来て座ってと一生懸命ジェスチャーをしている。しかし、両親はなかなか来ない。妹さんの必死な訴えを見てはいるのだが、全く動こうとしない。きっと疲れたのかな。ちょっとでも1人か2人の時間がほしかったのかな。大人は疲れる。妹さんも疲れたのか訴えるのを諦めた。



生きるってむずい。いや、まだむずいって言える立場ではないのだが。とてもむずそう。まずはむずいって言えるようにとりあえず飛び込んで見ようかしらねえ。


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