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国際部代表 林勇輔が見る加賀谷ゼミの魅力【商学部 加賀谷ゼミ生インタビュー】

記:2019年3月10日

今回は加賀谷ゼミ(商)3年の林勇輔さんにインタビューしました。
かなりきついという噂も聞く加賀谷ゼミ。果たして、国際部のディスカッション代表だった林さんはゼミではどんなことを学んでいるのでしょうか?

■グループワークだからこそ直面する壁。得られること。

ーー本日はよろしくお願いします。最初に加賀谷ゼミを志望した理由を教えていただけますか。

僕が加賀谷ゼミを選んだ理由は2つありました。

1つ目は、やりがいのある環境です。三年生になってから打ち込めるものがほしかったんです。加賀谷ゼミはブラックと言われることもあるし、たしかにきつい面もある。けれど忙しいからこそやりがいがあるとも捉えられます。三年生になると、多くの人が部活やサークルを引退して授業も減る。せっかく大学入ってるのにもったいない。大学の後半で打ち込めるものがほしいと思ったんです。

2つ目はゼミの形式がグループワークであったことです。僕は勉強をするときに一人でやるとはかどりません。グループだとやらないといけない責任感が多少生まれますし、それだけでなく、学び自体も2倍3倍になると思い、グループワークに惹かれました。

ーーなるほど、財務会計のゼミの中でも、加賀谷ゼミにした理由はありますか?

他のゼミをしっかり調べてわけではないですが、グループワークに惹かれていたのは確かです。チームでやるからこそ、厳しい課題も挑めると思いました。「加賀屋ゼミはコミットしないと取り残されてしまう環境だからこそ、頑張れる」そう思って志望しました。

ーーそうだったのですね。卒論もグループワークで進めるのは珍しいですよね。

そうです。何をしようかのテーマ決めの段階からグループでやるんです。卒論ももちろんですが、3年生にはそれに近い存在としての日経ストックリーグへの出場があります。(日経ストックリーグとは日本経済新聞社主催の株式投資コンテストのことで、独自のテーマのもと株式のポートフォリオを作成しレポートにまとめます。)優勝を目指して各グループで頑張るので、3年生のうちからグループでの活動の機会が与えられます。

■加賀谷ゼミの日常

ーーグループワークっていうと具体的にはどのようなことをされるのでしょうか。

僕も夏くらいでやっと容量をつかめてきたのですが。。まず、今日は15:00-18:00やろうという感じでコモンズに集まります。基本的にゼミに向けて調べる内容は各班にゆだねられていて、毎週のゼミに向けてのテーマに沿っていれば内容は自由です。(ex.不正会計、のれん etc.)

好きなことを調べてよいので、その週の問いを立てることから始まります。メンバーで日経新聞の記事やネット記事からネタを持ち寄って議論します。実際にやった題材では、牛丼チェーン3社の利益率の違いに着目したものがありました。

問いが立てられると、具体的に調べます。先ほどの牛丼業界の分析を例にとれば、PL・BSをみるとある会社の販管費が下がっていることに着目します。そこに対して、ネット記事やIRをもとに「この年の選択と集中がここ数年の利益向上につながってる」というように仮説をたてます。いくら仮説がよくてもプレゼンが微妙だとうまく伝えられないので、結論をプレゼンの形に仕上げます。Google Slideでゼミ当日のプレゼンに向けてのスライド作成をします。

もちろん毎回うまくいくはずはないので、そんな週には加賀谷先生に突っ込まれて、「来週やってやるぞ」と思って乗り切るわけです。

ーーかなり事前の準備を念入りにされているように感じましたが、ゼミの当日は何をされているのでしょうか。

基本的にはスライドを発表する時間になります。各班が30分弱のプレゼンののち、1時間くらいフィードバックを受けます。フィードバックは、仮説が正しいかであったり、データが恣意的でないかであったりということに対する、先生の突っ込みをもとに他の班のメンバーも含めて全員で行われます。春夏学期は特に、新現代会計入門(かなり分厚い本)を読むので、要約とプレゼンの双方があり、ゼミの時間は長くなりがちです。

ーー要約とプレゼンは別ということでしょうか。

そうですね。先ほど出た、新現代会計入門の要約は要約でやります。ただ、内容のまとめだけでは終わりません。春夏学期の段階から、その章のテーマに沿いながら分析を行いプレゼンでアウトプットを出します。春夏学期の段階からここまでいくのでわからないことが多いのですが、僕はたまたま班に公認会計士志望のメンバーがいたので聞きながら進めました。インプットしながら、アウトプットも行うのでこの期間にかなり得られるものは多かったとおもいます。

ーーなるほど。楽しそうですね笑

仮説を立ててテーマを決めるのが重要に感じましたが、みんなの意欲が高いとその段階の議論が難しいように感じました。たしかに、みんなが興味のあるテーマだと一つに絞るのは難しいこともありました。そういう場合は、それぞれのテーマになったときの結論の仮説を立てていました。結論が薄そうなものではなく、パットみてわからないようなものを選ぶことを心がけています。仮説の重要さissue度が高いから示す。まさに「issueから始めよ」って感じです。

■日経ストックリーグで経験した苦労

ーー実際にストックリーグを進めるにあたってテーマ決めなど苦労した点はどのようなところだったのでしょうか。

時期によって苦労したことが違かったようにおもいます。夏休みから10月にかけてはテーマ決めで苦労しました。夏合宿の際に仮テーマで発表する機会があり、「人材の流動性」で発表したわけですが、夏のゼミの時間をほぼほぼそのテーマに費やしたのにも関わらず、結局テーマそのものから再考することになったんです。夏休みの作業時間全部がぱーになり、さすがに萎えました。

先ほどのテーマ決めの話でも出ましたが、出発点はかなり重要でissue度の低い、といった問いの立て方が緩いものになってしまうとうまくいきません。他の班も夏休み立てたお題と全然違う結果になっていたので、ある意味、毎年そうなんだろうなとも思いました。

ーー僕たちの代もそうなるんですね。

次なる苦労は、12月入ってからの終盤においてのモチベーションの維持です。ストックリーグは1月序盤に最終的なレポートを提出するまでが勝負なのですが、ポートフォリオの提出は12/1に提出締め切りになります。東証一部のなかから10社ほどピックアップし、金融理論などを使って投資配分を出すわけですが、ここでひと段落してしまうのです。

ここから1月序盤の最後までののモチベーションの維持が難しかったです。チームビルディングの観点で、半年も全員の意欲をキープするのが難しかったです。僕はやりがいあったからこそかろうじてやりきったものの、中にはモチベが弱まってしまったメンバーがいたりして、少し歯がゆい思いをする場面もありました。

ーーモチベーションキープは大変ですね。

いやあ、大変ですね。優勝したらニューヨークに渡航できるらしいのですが、とはいってもなかなかの900分の1という狭き門です。現に数年前には加賀谷ゼミから優勝チームが出ていたものの、入賞だけでも難しく、成果物にお金が出ないうえに誰かに褒められるでもないのでかなり苦労しました。

ただ、「お金・報酬じゃないもののために頑張る最後の機会だって捉えられるかもよ」と先輩に言われて、なるほどって思いました。卒論もその一つにはなりますが、お金や地位、名誉ではない知的好奇心がモチベーションになっているのは稀。社会に出てからなかなか純粋に知的好奇心で動くこともない。そういう意味で純粋な知的好奇心を原動力にチームビルディングやモチベーションの維持を考えられるのは大きい意味を持つと思いました。
イメージしやすいようにストックリーグの論文も送ります。ストックリーグについては、900チームある中で90チームに勝ちあがっています。

ーーありがとうございます!
(後日ご連絡をいただいたところによると、さらに勝ち上がり入賞にまで進んでいるそうです。)

一橋から入賞した2チームは双方加賀谷ゼミのチーム。

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入賞した林さんのチームのアジェンダ

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レポートの抜粋

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ーー逆にそうしたモチベーションを考えるにあたって、ふさわしいパーソナリティとかってありますか?

ふさわしいパーソナリティは分からないですが、最適なチームの形はあると思います。一チーム4,5人で構成されるのですが、みんなが同じようなタイプだとうまくいきません。

僕はまとめたり議論を引っ張るのが得意ですが、あまり独創性を求められる部分は得意ではありません。自分が苦手とする部分を得意なメンバーが班にいると、自分としてはその意見をうまくくみ取ろうと思うわけで、すごくスムーズに進みます。みんなが僕と同じようなタイプだと議論が空中戦になりがちです。

それに加えてパーソナリティ的な面だけでなくスキル面でも、金融面に明るい人がポートフォリオの計算式を構築して説明したり、公認会計士志望のメンバーが会計の知識を提供してくれたりすると議論がはかどります。得意な分野・作業・ことがあるとチームがうまくいく。そういうのを持った人が集まってこそゼミの面白さは増長すると切におもいますね。

ーーそういう意味では、けっこう周りのメンバーに依存しますね。

ですね。3年生の間にも三つのチーム(一回目:春学期の教科書を読む期間。二回目ストックリーグまで。三回目ストックリーグ)を経験したのですが、それぞれ同じゼミだけど色がありました。一回目良かったなとか今回はなかなかうまくいかないなとかいろいろ発見がありました。

ーーチームはどうやって決めたんですか?

一回目はランダムですが、二回目以降はゼミ幹と先生が話してバランスさせて決めていました。グループワークだからこそ加賀谷ゼミに入るなら周りのメンバーはやはりかなり大事ですね。

■たしかにきつい。でも、ただきついだけではない。

ーー加賀谷ゼミにつきまとうブラックという噂ですが、どうでしょう?

その噂は十分に承知しています(笑) もちろん、ここまでも話してきたようにきつい面もあります。ただ、きついと言う噂だけで判断するのはもったいないんじゃないかと思うんです。たしかにきつくて色々な時間を費やすことになるからこそ、得られるものは多いと思います。

最近だとゼミに打ち込んだエピソードとして、また、議論のスキルとしてゼミの活動が就活の際に役立っているなあって実感しています。あれ、なんか俺、ワ◯ミの社長みたいなこと言ってるな(笑)

ーーストックリーグの話の際にちらっと出ましたが、合宿はいかかでしたか?

嘘偽りなく言いますが、めっちゃきつかったです。もっと言うとその時のテーマがおじゃんになってるので、考える上での成長はあったけど、成果物の観点で言えば何もないに等しいのできつすぎますね。

やや脱線しましたが、15時くらいに宿につくと、早速グループワークを始めます。夕飯を挟んですぐに作業に取り掛かり、結局朝の4時半くらいまで続きました。

合宿での様子

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ーーやはり、、きつい笑

一応好きな時間に切り上げることができるのですが、他の班も消えないので結局そんな時間までチキンレースみたいに続いていました。

先輩もなかなか部屋に戻らないので、先に帰るのも悔しく、作業に挑んでいました。合宿の場所は一応筑波まで行きましたが、少しの観光もなくさすがに驚きました笑。周りに何もなくて缶詰になれる環境があればいいという意味では、合宿場所はコモンズでもいいと思ってしまいます。最終日に飲みはありましたが、疲れ切っていました笑。

最後には発表をして成果を披露

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ーーたしかにきつそうですが、学び甲斐がありそうですね。

本当にそう思います。三年になってから、他の人と話ても「なんでそんな本気でやってるの?」という風になってきてゼミに関して話が合わなくなってくることもあります。僕としては、「ゼミって本気でやるもんでしょ?」ていうところなんですが。

実は後期ゼミの中には担当が回ってきたら要約するだけのゼミがあったりして、それでは導入ゼミと変わらないなと思ってしまいます。そういった話を聞いた時に、改めて加賀谷ゼミでよかったと感じますね笑

ーー実際、他の活動と両立できていますか?

できていると思います。国際部では代表をしていましたし、当然、加賀谷ゼミに100%自分の時間を投じることはないです。一般的なサークルは3年生で活動も終わりますし、いくらきついといっても両立できないなんてことはないです。バイトも人並みにできますし、それらの部分を心配されている方はあまり気にしなくてもいいと思います。

他の活動という観点で脱線した話をすると、加賀谷ゼミは留学にも寛容で、留学から戻ってきても同じ学年に合流することも下の学年に途中参加することもできます。留学を控えている方もその点は安心して頂いても良いと思います。

いいことばかり言うと信憑性に欠けるのでネガティブな話もすると、多少バイトにあてる時間は減りましたし、そういう意味では自分の中で重要度の低いことが自然と減るかもしれないです。、ですが、やってみてしまうと案外なんとかなるとおもいます。

■とにかく加賀谷先生がすごい

加賀谷ゼミの集合写真。(写真中央が加賀谷先生)

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ーー加賀谷ゼミに入って、改めてよかったと思うことはどのようなことでしょうか?

主に二つあって、一つ目は、最初の動機をすべて満たせたことです。このゼミに入って充実した大学生活になり、グループワーク楽しめて、会計にも少し明るくなりました。

二つ目は加賀谷先生のすごさです。もちろん一橋にいる大学教員の方は皆すごいと思います。が、加賀谷先生は、会計の研究に対するすごさはもちろん、ゼミ生に対する指導のあつさがものすごい。給与に直結するわけではないのにものすごい時間を割いていただけるのを思うと、ゼミ生の成長を生きがいにしてくれているような温かさを感じます。10時半とか11時まで付き合ってくれるので、先生も頑張ってくれてるから俺らも頑張らないとっていう意欲が湧きますね。本当に、こういうとありきたりですが、加賀谷先生の人のよさを感じてよかったと感じます。

ーーオープンゼミ後の懇親会でも翌朝5時に起きないとと言いながら10時過ぎまで付き合ってくださいました。

笑。すごいですよね。国立にお住まいらしいので、終電を気にしなくていいそうですが。時間だけではなく、休日返上っていう意味でもすごい。1月3日ストックリーグのレポートのチェックに付き合ってくださり、本当に助かりました。

ーー加賀谷ゼミでの一年間を振り返って林さん自身の変化はありますか?

今まで思いや感情をベースに動いていたことが多かったのですが、多少なりともロジカルになれたかとおもいます。話し方もよりキモオタになってきたし(笑)、「要するに」「具体的には」と抽象具体を行き来する話し方や、結論を先に言うことの意識などは身についたかなって気がします。

もちろん、ゼミにいる間はいいのですが、弊害もあります笑。外部に調整するコミュニティも持っておくと、そのバランスが取れてよいのではないかと思います。ノリで生きてると思っている人こそ、理論に基づくこのゼミに入るとバランスが取れてよいのではと思います。

ーーそれでは最後に、加賀屋ゼミにはどんな後輩に来て欲しいですか?

全然注文とかはないけど、個人的にはノリがいい後輩がいいかな(笑)。同期と飲んでいてもめちゃくちゃに盛り上がることは少ないし、もしかしたら自分は加賀谷ゼミでは浮いてるかもしれないなと思います笑。休日一緒に遊びに行く空気感の人たちはそこまで多くないかも。ってのは冗談で、どんな後輩でも嬉しいけど、後輩自身が後悔しないで打ち込めたらよいと思います。

ーー本日は貴重なお時間ありがとうございました!是非、加賀谷ゼミに入れていただけたらと思います!

はい!お待ちしております!それと、ゼミメルめっちゃいいと思うので頑張って下さい!楽しみにしてます!
もっと色々なメンバーとも話す機会作れるので遠慮なくいってください!

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この記事を書いた人(文責:大住)
一橋大学商学部二年 SemiMeruの代表
製造業のスタートアップやゲノム事業にて長期インターン中

:林さんが経験を交えながら真剣な話からちょっとここでは言えないカジュアルな話までしていただいたので、加賀谷ゼミに志望を出す確信が持てました。きついゼミとしばし言われる加賀谷ゼミですが、その良さに気づく機会になったら嬉しいです。

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