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カレーライスはいかにして国民食となったか 『カレーライスと日本人』【読書ログ#109】
カレーは、日本人のソウルフードの一つだ。日本人はソウルフードを沢山持つ節操のない民族だが、カレーは新参者なのにすでにその首位に近い場所に居る。
日本には、ラーメン、餃子、寿司、すき焼き、うどん、そば、とにかく沢山のソウルフードがあるが、何故か、カレーはその中でも特別な地位を築いているようだ。
大人も子供も誰も彼も、私もあなたもカレーが大好きだ。
イギリスから来たミックススパイスを起源にもつ日本のカレーだが、日本国内で独自の進化を繰り返し、現在では、百花繚乱のカレー文化を作り上げるに至っている。
あまりにも日本人になじみすぎてしまい、カレーの起源と目されるインドから来た料理に対して「インド風カレー」と言ってのける図々しさまで。インド人に謝りたい。
この馴染み方、このままでは日本中がカレーに支配されてしまうのではないかと思うほどだ。実際に、会社を経営する友人は、自分の会社をカレーに乗っ取られた。
長女の通う小学校では、カレーのときだけ適用される特別おかわりルールがある。カレーシフト。
このように、日本国内で猛威をふるカレーだが、いったいどのような経緯で日本にカレーが広まったのか。子供のころから当たり前のように口にしていた「カレーライス」だが、なぜこれほどまでに日本人に受けれられるようになったのか。それを紐解くのが本書となる。
もし、日本に「カレー学」なる学問があったとしたら、一番最初の授業で配られる副読本はこの『カレーライスと日本人』になるにちがいない。
表題が「カレー」ではなく「カレーライス」なのを見てプイっとしてしまった、そこのツウなあなた。それじゃぁいけない。ちょっと帰ってきて。
だって、講談社学術文庫だし、それはもう、ちゃんと調べております。
本書では、日本国内でひとかどのカレー人であれば、必ず把握していなければならない「カレーライス文化」の基礎の基礎を学ぶことが出来る。本書で紹介される内容を把握することで、様々に細分化されたカレー道の、それぞれの達人たちとの共通言語を得る事になる。
ジャレドダイアモンドが最新の著作の前書きで「長く読んでもらいたいからトランプなんて出さないよ、だって陳腐化しちゃうでしょ(ニュアンス)」と書いていたが、この本でも最近の豪華絢爛なカリーな世界は紹介されない。あくまで日本的な「黄色いカレーライス」というホームポジションからブレずにカレーライス文化を紹介している。ゆえに、陳腐化せず、日本におけるカレーというものを書き切ることができている。
本書では、カレーのルーツを求め、まず、インドに行くところから始まる。そして、日本とインドのカレー文化の違いに愕然としつつ、カレーという料理のバリエーション、奥深さ、自由さ、そしてなによりも懐の深さに触れることになる。しかし、謎は深まる、日本式カレーはいったいどのようにして成り立ったのか。インドから戻った筆者はC&Bのカレー粉が生まれたイギリスに赴き取材をし、日本でも様なざまな調査をすすめることで日本におけるカレー文化の広がりを紐解いていく。
いままで、様々なカレー人達から聞いてきた話ではあるのだが、こうやって整理され、ストーリーとして見せられると、新たな感動が湧き上がってくる。この本すごいな! カレーすごいな!
今のところ、最も子供にウケているカレーのレシピは下記の通り。ホットクックを使っていますがストウブとかルクルーゼがあれば近しいの作れます。
チキンカレー(6皿分)
材料、手羽中10本(スペアリブと書いてある場合も。骨はスルリと取れるので心配無用)、玉ねぎ、にんじん、セロリ、ニンニクチューブ、クミン(粉)、コリアンダー(粉)、市販のカレールウ(甘口)を1/2箱(6皿分)
まず、弱火で熱したフライパンにバターを溶かし、泡立ったらクミンとコリアンダーを小さじ1入れ、しばらく弱火のまま香りを移す。
スパイスとオイルが馴染んだら、ニンニクチューブを1cm位フライパンに出して馴染ませ、中火にし、そこに手羽中を皮を下にして焼く。
皮に焼き目が付いたら、ひっくりかえして身の方も焼き色を付けたら火を止めておく。中まで火を通さなくても大丈夫。
肉を焼きながら、玉ねぎ3個、にんじん1本、セロリ半分をみじん切りにしておく。
野菜と肉(溶けたバターも全部)、カレールウを全部ホットクックに入れて水を100cc位入れ、「無水カレーモード」で調理する。
ほぼ無水カレーが出来上がり。
適度なスパイスの香りがあるのに全く辛さは無く、バターのおかげでやわらかい風味があって味はマイルド。という、子供のスパ育(スパイスやスパイスに関する知識と選択力を身につけ、健全なスパイス生活が送れるようにするための教育)にちょうど良いカレーが出来上がる。
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