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【注目ニュース】ITRI 2030年までに3,638億kWhの節電に貢献するため、台湾の半導体産業は、二酸化炭素排出量の削減を目指していることを発表
発表日:2024年5月6日
みなさんこんにちは。【注目ニュース】では、最近発表された半導体関連のニュースの中から、専門家が厳選してお届けします。通勤・通学時間、始業前などにぜひチェックしてみてください。
概要
台湾工業技術研究院(ITRI)は、台湾半導体産業協会(TSI)の月刊誌に「AI時代における世界の省エネルギーと炭素削減への台湾半導体産業の貢献」と題した記事を掲載しました。
この記事では、半導体技術の急速な進化がAIなどの新興技術の台頭を促進し、ICT製品が経済活動や行動変容を通じて世界に大きな炭素削減貢献をもたらす可能性があることが強調されています。
ITRIによると、半導体技術の進歩はAI技術の急速な発展を支え、未来の革新的な応用に無限の可能性をもたらしています。また、半導体業界は新材料や設計の開発によってエネルギー効率を向上させ、同時に炭素排出を削減する必要があります。
特に、台湾の半導体産業は2030年までに世界で3638億kWhの電力節約に貢献すると見込まれています。
TSMCはこの取り組みの一翼を担い、2030年までに世界で2354億kWhの節電に貢献する見込みです。TSMCのハイパフォーマンス・コンピューティング製品に関しては、2030年までに最大1347億kWhの省エネに貢献する可能性があります。
研究所は、ICT製品が世界の省エネルギーと二酸化炭素削減に大きく貢献することを強調し、その貢献が将来の持続可能な社会に向けた重要な一歩であると述べています。
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解説
まず、ITRIとは台湾にある工業技術研究院のことです。1973 年に設立された世界的な研究開発機構で、研究者数は 6,000 名を超えています。科学技術の研究開発により、産業発展と経済価値を創造し、社会福祉を促進する事がミッションです。
自分も訪れたことがありますが、半導体に限らずにエネルギー、環境、メカトロ、電気、光学、バイオ、材料など様々な分野における研究を進めている研究機関です。
さて、半導体は膨大な量の電力を消費しています。膨大とはどの程度をいうのか、定量的に示すと、TSMCの電力消費量は2030年において台湾総人口の約1/4にあたる580万人分の電力を消費するとの報告もあります。
半導体製造業全体では、2030年までに世界で286テラワット(TWh)の電力を消費し、オーストラリアの2021年の電力消費量を上回ると言われています。
今回のITRIの発表のように、各社はエネルギー消費の問題について深刻にとらえており(濃淡はありますが)、現在再生可能エネルギーでの代替や省エネに向けて取り組みを進めていることが、決算資料などから読み取れます。
半導体の性能向上については当然これからも重要な技術であり続けるとは思いますが、Sustainabilityにも配慮した製造や技術の開発も忘れてはならない部分です。
投資家の方は半導体製造における環境負荷低減技術の開発により組む企業などを銘柄に組み込むのもよいかと思いますよ。
参考文献
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