【注目ニュース】マイクロン AIデータセンター向けDRAMを出荷開始
発表日:2024年5月1日
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概要
マイクロンは、メモリを多用するAI世代のアプリケーションの厳しい速度および容量要求に対応する128GB DDR5 32GbサーバDRAMの検証および出荷に初めて成功し、業界のマイルストーンに到達しました。
2024年5月1日、アイダホ州ボイス - マイクロン・テクノロジーは、大容量モノリシック32Gb DRAMダイベースの128GB DDR5 RDIMMメモリーを、すべての主要サーバープラットフォームで最高5,600 MT/sの速度で検証し、出荷したことを発表しました。
これは、業界をリードするマイクロンの1β(1-β)技術を搭載したもので、競合する3DSスルーシリコン・ビア(TSV)製品と比較して、ビット密度が45%以上向上し、エネルギー効率が最大22%向上し、レイテンシが最大16%低下しています。
マイクロンは、業界リーダーや顧客との協力により、これらの新しい高性能、大容量モジュールを量産サーバーCPUに幅広く採用しました。これらの高速メモリモジュールは、**人工知能(AI)および機械学習(ML)、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)、インメモリデータベース(IMDB)**などのデータセンターでの幅広いミッションクリティカルなアプリケーションの性能ニーズを満たすように設計されています。
また、マイクロンの128GB DDR5 RDIMMメモリは、AMD、Hewlett Packard Enterprise(HPE)、Intel、Supermicroを含む強力なエコシステムによってサポートされます。
マイクロンのコンピュート製品グループ担当バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーであるPraveen Vaidyanathanは、次のように述べています。「今回の大量出荷のマイルストーンにより、マイクロンは、すべての主要CPUプラットフォームで認定された大容量RDIMMをお客様に提供し、市場をリードし続けています。「AIサーバーは今後、GPU接続メモリーとしてマイクロンの24GB 8-high HBM3E、CPU接続メモリーとしてマイクロンの128GB RDIMMで構成され、メモリーを多用するワークロードに必要な容量、帯域幅、電力最適化されたインフラを提供します。
解説
少し専門用語の説明をしたいと思います。揮発性の半導体記憶素子であるDRAMはデータ転送速度の違いによって複数の規格に分かれており、DDRはその一種です。
DDRはDouble Data Rateの略称であり、電圧の上昇・下降両方のタイミングで信号の伝送を実行できる特徴を持っています。言い方を変えると、「クロック信号一周期あたり2回のデータ伝送、すなわちデータの読み込みと書き込みが可能」という意味ですね。
一般的なDRAMの後継であったSynchronous DRAM(SDRAM)は、クロック信号1周期あたり1回のデータ転送、すなわち読み込みと書き込みは一回ずつでしたが、DDRではその名前の通り2倍のデータ転送ができるようになりました。とはいえ、基本的な構成は変わらないので、「DDR SDRAM規格」として浸透しています。
DDRは後ろの数字が世代を表しており、第5世代のDDR(DDR5)の転送速度は38.4~51.2 GB/sです。これはDDR4の17~25.6 GB/sに比べるとおよそ2倍の速度になっています。
現在、AI全盛時代に向かって進んでいる世界の中で今後もメモリ需要は極めて高いと言って差し支えないでしょう。
マイクロンはメモリ分野における主要プレイヤーの一社であるため、その技術的な進歩は今後も注目です。
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