Rapidus、最先端2nm半導体の後工程研究開発拠点を千歳に開設:注目ニュース✨
発表日:2024年10月3日
Rapidus株式会社は、北海道千歳市のセイコーエプソン千歳事業所内に、最先端半導体の後工程研究開発拠点「Rapidus Chiplet Solutions(RCS)」を開設すると発表しました。
この施設は、2nm世代半導体のチップレットパッケージ設計・製造技術開発に特化し、日本の半導体産業の国際競争力強化を目指します。
施設詳細
所在地:北海道千歳市美々758-173
クリーンルーム面積:約9,000m2(東京ドームの約5分の1相当)
総投資額:約1,000億円(推定)
開発開始時期:
2025年4月:製造装置導入開始
2026年4月:研究開発活動本格化
技術開発内容
RCSでは、以下の最先端プロセスに対応したパイロットラインを設置予定:
FCBGAプロセス:高密度実装を可能にする先進的なパッケージング技術
Siインターポーザ・プロセス:複数チップの高効率接続を実現
RDLプロセス:微細な配線形成による高性能化
ハイブリッドボンディングプロセス:異種チップの直接接合技術
これらの技術は、AIやエッジコンピューティング分野で求められる高性能・低消費電力デバイスの実現に不可欠です。
業界への影響と市場分析
世界市場規模予測:2nm半導体市場は2030年までに約10兆円規模に成長見込み
競合状況:
TSMC(台湾):2nm製造を2025年に開始予定
Samsung(韓国):2025年後半に2nmプロセス導入計画
Intel(米国):2025年に2nmに相当する「20A」ノードを導入予定
Rapidusの参入により、日本の半導体産業が約30年ぶりに最先端プロセス開発で世界と競争する体制が整います。
技術連携と開発体制
Rapidusは、世界トップレベルの企業・研究機関と連携し、技術開発を加速:
IBM:チップレット技術全般でのパートナーシップ
LSTC、産総研、東京大学:国内研究機関との連携
独Fraunhofer、シンガポールA*STAR IME:国際的な研究協力体制
将来展望と課題
技術的課題:
2nmプロセスの歩留まり向上
消費電力の更なる低減
3次元実装技術の確立
市場展望:
2028年までに世界シェア20%獲得を目指す
自動車、AI、5G/6G通信分野での採用拡大を期待
人材育成:
2030年までに5,000人の高度技術者育成を計画
産学連携による半導体専門教育プログラムの設立
まとめ
Rapidusの新研究開発拠点「RCS」は、日本の半導体産業復活の象徴
2nm世代半導体の量産化に向け、最先端チップレット技術の開発に注力
国内外の企業・研究機関との強力な連携体制を構築
政府の半導体戦略と連動し、経済安全保障にも貢献
技術的課題の克服と人材育成が今後の成功の鍵
専門用語解説
チップレット:複数の小型チップを組み合わせて1つの半導体デバイスを構成する技術。性能向上とコスト削減を同時に実現。
FCBGAプロセス:フリップチップボールグリッドアレイの製造プロセス。高密度・高性能パッケージングを可能にする。
Siインターポーザ:シリコン基板を用いた中間層。複数のチップを高効率で接続する役割を果たす。
RDLプロセス:再配線層形成プロセス。チップ間の微細な配線を行い、高性能化を実現する技術。
ハイブリッドボンディング:異なる種類のチップを直接接合する技術。3次元集積回路の実現に不可欠。
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