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【注目ニュース】2024年半導体業界の将来展望!~世界半導体市場統計の春季最新動向から読み解く~

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発表日:2024年6月4日

みなさんこんにちは。【注目ニュース】では、最近発表された半導体関連のニュースの中から、専門家が厳選してお届けします。通勤・通学時間、始業前などにぜひチェックしてみてください。

WSTS2024年春季半導体市場予測について

WSTS(世界半導体市場統計)の2024年春季半導体市場予測会議が、5月21日から23日までの3日間、神戸で開催されました。この予測会議は年2回、原則として5月と11月に行われます。

WSTSの市場予測は、加盟会社がWSTS半導体市場統計を参照して作成した予測値を基に、マクロ経済や主要電子機器の動向も考慮して検討されます。ただし、将来の価格動向や需給バランスに関する討議は反トラスト法に抵触するため、禁止されています。今回の春季市場予測は、2024年3月までの実績値を基に作成されました。また、WSTSの半導体市場予測はすべて暦年で行われます。

WSTSは1986年に設立され、世界の半導体メーカーが自主的に加盟している半導体市場に関する世界的統計機関です。WSTSは、加盟会社の半導体販売額・販売数量の実績値を製品別・地域別に同一分類基準で毎月集計し、それを基にした統計を発行しています。この統計は、世界の半導体市場を同一基準で分類、集計した唯一のもので、現在48社の半導体メーカーが加盟しています。

WSTSの「半導体市場」は、半導体メーカーの国籍や生産工場の場所に関係なく、「半導体製品が半導体メーカーから第三者に販売された地域」を指します。この「第三者」には、電子機器メーカー、EMS、半導体を扱う商社などが含まれます。例えば、「日本市場における販売額」とは、世界の半導体メーカーが日本において第三者に販売した半導体製品の金額を意味します。購入者が購入した半導体製品を外国に運んで電子機器に組み入れたとしても、その半導体製品は日本市場に含まれます

WSTS(英語版)のHP

WSTS 2024年春季半導体市場予測の結果

世界の半導体市場動向

2023年の世界半導体市場は前年比-8.2%でした。これは、世界的なインフレやそれに伴う利上げ、地政学的リスクの高まりが個人消費や企業の設備投資等に影響したためで、AI関連や自動車用途を除き、半導体需要は低調でした。

2024年については、前年比+16.0%と再拡大が予測されています。世界的に旺盛なAI関連投資を背景に、メモリーや一部ロジック製品の需要が急拡大していることが主要な要因とされています。しかし、AI関連を除くと、上述のマイナス要因が継続し、半導体需要は依然として低調に推移しています。このため、今回の会議では年後半の急回復は想定しにくく、通年では多くの製品で前年比マイナス成長を予測しました。

2025年には前年比+12.5%とさらに市場拡大が予測されています。AI関連の需要に加え、環境対応や自動化等の成長領域を念頭に、半導体市場の継続的な成長が期待されています。

為替レートについては、1USドルに対して2023年は140.4円、2024年以降は148.5円を前提としています。

世界製品別市場予測
世界製品別市場予測(数値データ)


製品別市場動向(世界市場)

2024年の製品別ドルベースでの市場予測は以下の通りです。ディスクリートは前年比-7.8%で市場規模328億ドル、オプトは前年比-1.0%で市場規模427億ドル、センサー&アクチュエーターは前年比-7.4%で市場規模183億ドルとなります。IC全体では前年比+20.8%で市場規模5,175億ドルと予測されています。ICの製品別では、メモリーが前年比+76.8%、ロジックが前年比+10.7%、マイクロが前年比+1.6%、アナログが前年比-2.7%と予測されています。

2025年の予測では、ディスクリートは前年比+7.7%で市場規模353億ドル、オプトは前年比+3.5%で市場規模442億ドル、センサー&アクチュエーターは前年比+6.3%で市場規模194億ドル、IC全体は前年比+13.7%で市場規模5,884億ドルとされています。

ICの製品別では、メモリーが前年比+25.2%ロジックが前年比+10.4%、マイクロが前年比+5.2%、アナログが前年比+6.7%と予測されています。

これらの予測から、2024年はICの需要が大きく増加する一方で、ディスクリートやセンサー&アクチュエーターの市場が縮小する見込みです。2025年には全体的に市場が成長し、特にメモリーとロジックの分野で顕著な増加が予測されています。

世界のIC 製品別市場予測
世界のIC 製品別市場予測(数値データ)


日本の半導体市場動向(円ベース)

日本の半導体市場動向について、2023年の日本の半導体市場は前年比+3.8%で、金額では約6兆5,637億円でした。2024年は前年比+4.6%のプラス成長を継続し、市場規模は約6兆8,670億円になると予測されています。さらに2025年には、前年比+9.3%と成長が加速し、市場規模は約7兆5,088億円になると見込まれています。

これらの予測から、日本の半導体市場は2023年から2025年にかけて安定した成長を続けると予測されています。特に、2025年には成長率が大きく上昇し、半導体市場全体の拡大が期待されています。

世界地域別市場予測
世界地域別市場予測

まとめ

それでは最後に、今回のWSTSが発表した2024年の半導体市場予測において重要なポイントをまとめます。

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