ギャグ/4コマ漫画千冊 305〜306冊目 『サラすぱ!』 全2巻 感想
『りぼん』(集英社)にて2009年から2011年まで連載されたショートギャグ漫画。人気イラストレーターであるカナヘイさん(勉強不足で存じ上げていなかったが、この可愛らしくほんわりした絵柄で人気が出るのはごもっととも)の初めて描いた漫画のようだ。高校生の頃からイラストレーターとして活躍されているスーパーな人である。私と年齢が近く、小学生の頃ドラゴンクエスト4コママンガ劇場へ応募していたということ(Wikipedia情報https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%8A%E3%83%98%E3%82%A4)で、私は応募するまではしていないが、夢中になって読んでいたので、なんか勝手に作者に親近感を覚えてしまった。やっぱ我々の世代、ゆとり、ミレニアムとか言われる世代、00年代と青春期が重なっていた我々にとって、子供の頃にあった思い出のギャグ漫画は4コママンガ劇場なんだろうな。私はポケットモンスター派です。
サラダボウル区の小学校を舞台に、スーパーヒーローの娘・ウメちゃん、メガネっ子のお姫様・スミレ、物と物を合成して新たな生物を作っちゃう魔女見習い・ヒマ、その彼女に作られた愛されボーイ・タレゾー、宇宙人と人間の子供・ダイジュ、いつも厄介事に巻き込まれる不運なマメ太といったキャラたちが登場する。いっつもヒマが合成して生物を生み出すので、人外がたくさん現れ、『コジコジ』とか『どうぶつの森』とかサンリオみたいな世界が形成される。『コジコジ』のように、ちょっぴりひねくれているというか、毒気があるというか、ピリっとする感じはなくて、素直にワチャワチャした世界で優しい。私としては、毒気があるのが好みではあるが、なんせ少女向けなんだから、それでいいのだ。
ヒマにカビ餅から作られた一合生物であるタレゾーが、本人ご自慢のプリティさを発揮し、場をかき乱すことで話が展開していくことが多い。ショートギャグということで、初めは一ページで話が結着するが、その後、四コマになったり数ページで一話分になったりする。
ダイジュの母は宇宙人なので、宇宙語を話す。彼女の台詞は、著者が自作した宇宙語フォントで表されるのだが、ホームページで公開してダウンロードできるようにしているのが、スゲェ。
今まで丸っきし通ってこなかったところに手を出してみたく、少女向けギャグ漫画を読んでみたが、まったく理解できないなんてことはなく、普通に楽しめた。次はヒマがどんなキメラを生み出すのだろう、と気になって読み進めていたようだ。意外と言っちゃなんだが、興味を惹かれて読んでいたんだろう。自分の慣れ親しんだ領域からまったく離れた分野のコンテンツを調べてみるつもりで鑑賞するのも悪くないな、と思った次第。
それでは引き続き、さらにスーパーなギャグ漫画を探していこう!
サラすぱ!
ウメぇ