ギャグ/4コマ漫画千冊 311〜315冊目 『カッコカワイイ宣言!』 地獄のミサワ 全5巻 感想
以前から気にはなっていたのだけれど、なぜかキャラクターに目がいってしまって気になっていたのだけれど、なんでか読んでこなかったこの漫画を今手に取る。1巻の表紙カバーを取ってみると、いきなり「砂を食え」と女子高生がおっしゃっているので心配になるが、目次を開くと、都内に住む女子大生が、けっこう読みやすい、との感想を述べているので安心して読み進めることにする。
この漫画はかっこいい男子やかわいい女子しか登場させないことを宣言している。なので『カッコカワイイ宣言!』という題名なんだな。たしかに、リチャード・ギアが登場するしね。キンタマに鉄球をぶつけられても微笑んでるしね。かおちゃんはワンパンで男性の心臓を貫けるし、かっこいいか。宣言してある通り、登場するキャラはかっこいいか、かわいいので、ページの脇に、どうかっこいいのか、どうかわいいのか、キャラの紹介が載っている。キャラの初登場時だけ載っているのではなく、そのキャラのお話には、ほとんどのページに載っている。少しずつ紹介文の内容が足されていく。これが気になって、マンガ本文を読む前に、そっちばかり読んでしまう。それだけでなく、2巻まではページ下部に、どM教授のフランス語講座、書道家の巨匠・松崎の字、お兄さんが質問に答えるコーナーなどが載っていて、情報量が盛り沢山である。どれも本当にウザいので一読の価値ありです。
一話完結なので、読みやすい。キャラもウザい奴ばかりで魅力的です。よく表紙に載っている女子高生・かおちゃんこと片桐乙女は、日本の裏社会の牛耳っているドジっ娘。でも、7人くらい男をキープしている。主人公かと思いきや、途中から出てこなくなる。最後あたりにまた登場するのでよかった。その他にも、漆黒の堕天使と白銀の堕天使の間に生まれた金色の堕天使・蒼夜薫、ツンデレ女子に憧れる女子高生・ドリュー・バリモア、全ての謎を解き明かさないと夜も眠れない男・神高地隆介、界隈でベストなご収入の主人を持つ奥様、などの顔が中心に寄ったキャラクターたちが登場するのが愉快である。正直、どのキャラがどんな顔だったのか見分けがつかないが、みな個性的である。人間だけでなく登場する動物も魅力的で、人間を滅ぼそうとしている反人間派のかわいい動物たちが、人間の心臓をぶち抜いて殺す様は圧巻です。
長々と同じことを述べるキャラが多い。同じことを言い換えたり、ちょっと付け足したりして、ムカつく口実をしつこく垂れ流しているので、ウザくて笑えてくる。アンジャッシュのザキヤマみたいなノリだ。はいはい、もうわかったから、と言いたくなる気持ちが湧く。また、いけしゃあしゃあと宣っているときの顔がムカつくのだ。長ったるい自己弁護とムカつく顔の組み合わせって鉄板かもしれない。『ピューと吹く!ジャガー』のハマーさんとか、磯部磯兵衛とか、そこら辺と通ずるものがあるような気がする。
読み終えて思ったが、はじめはキャラの顔の中心に注意が向くが、読み進めていくうちに段々と気にならなくなるというか、顔が中心に寄っていることを忘れている。顔に注意を惹かれたのが読むきっかけだったが、それだけじゃなく、ちゃんとギャグ漫画として面白かった。とまあ、ここまで感想を書いてきたが、ちゃんとまとめられただろうか。今回は感想をちゃんとまとめられたのか。今回は感想がちゃんとまとまっててくれよォ。俺はちゃんとまとまってないんじゃないかと不安に思っているぞォ。俺を不安な気持ちにさせるなよ。暇さえあれば”いいね”しろよォ。