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ギャグ/4コマ漫画千冊 197〜199冊目 『COJI-COJI 新装再編版』 全3巻 感想


『COJI-COJI 新装再編版』(集英社)さくらももこ

Youtubeの【公式】コジコジチャンネルにて、コジコジのTVアニメが順次公開されている。毎日ちょこちょこ観て楽しんでいるんですが、ギャグ漫画千冊チャレンジをしているんだから、当然、コジコジの漫画も読みたいなと思い、この漫画を手に取った。

「メルヘンの国」の学校にて、宇宙の子・コジコジと珍奇でキュートな同級生たちがほのぼのとした学校生活を送るといったナンセンスギャグ漫画である。コジコジは宇宙生命体と紹介されているとおり、天真爛漫で純粋で、日々を一瞬一瞬を楽しんでいる正体不明の存在だ。クラスでコジコジの隣の席に座っている半魚鳥の次郎は、そんな常識が通用しないコジコジに振り回されながらも、適確にサバサバしたツッコミを入れていく。この二人のやりとりが面白い。次郎のツッコミにほんのり毒が含まれてあって、クスクスと笑えてしまう。みんなからチヤホヤされ褒められたい太陽の王様・ゲラン、興奮して沸騰すると茶を沸かしてしまうやかんくん、そのお茶を欠かさずに飲むことを楽しみにしているカメ吉、頭の上に「?」マークが立っているナゾ怪人・スージーと悪魔のブヒブヒのクラスのいたずらっ子コンビ。魅力的なキャラクターだらけのクラス・3年インコ組(セキセイ)である。どのキャラに焦点が当たっても、話が面白い。天然というか宇宙や万物そのもののコジコジとクラスメイトのチグハグなやりとりは、少女からおじさんまで楽しめるだろう。

この漫画を読んでいて感じた楽しさは、背景の多彩さにあった。背景が多彩で、星が無数にあったり、花丸がたくさん描かれたりと読んでいて飽きない。それと、吹き出しの台詞が付いているキャラの後ろに写り込んでいるキャラの演技や表情も好きだな。場面が教室のことが多く、後ろのほうで別のキャラたちが談笑していたり、机に座って片肘ついて物思いにふけっていたりしてコマの隅々まで見入っちゃう。それが、ただのモブキャラじゃなくて、魅力的なキャラなので、読んでいて愉しくなってくる。ひとコマひとコマに情報量がてんこ盛りにされている。白いところがほとんどない。

回想や空想のシーンは、横長のコマの四角が丸められているんですね。気の所為ですかね。横長のコマを斜めに二分したコマも多いです。それがどうかしたのかと訊ねられましても、こまりますが。

正直、十巻分くらい読みたい漫画だった。もっと量あったら、嬉しかったな。ま、それはアニメを観ることで良しとしますか。作品をこの世に残してくれた、さくらももこさんに感謝。

とまあ、ここまでコジコジについてお話ししてきましたが、「ドーデスカ!」と訊いてもしょうがないわけでして、もしかしたら「へー それはゆかいだね」と返答してくださる方がいらっしゃるかもしれませんが、そんなことは置いておいて、引き続きギャグ漫画千冊に向けオジオジも頑張って参ります。ビューン!

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