ポータルサイトを70件以上構築してきてわかった初期構築のポイントを紹介
こんにちは、セルバ中山です。
東京・大阪を拠点に20年以上、WEBシステムの開発を行ってきました。
WEBシステムの中でもポータルサイトの開発を得意としており、今までセルバでは70件以上のポータルサイトを構築してきました。
その中には、月商5億を越えるサイトも存在します。
また自社で運営している薬剤師向けポータルサイト「セルワーク薬剤師求人」でも1年で売上を月200万円⇒700万円にした実績があります。
今回は多数のポータルサイトを制作した中でわかった、最初の構築時に抑えた方が良いポイントを紹介していきます。
ポータルサイトとは
ポータルサイトは、インターネット上の玄関口(ポータル)として機能するWEBサイトのことです。
ユーザーが必要とする情報やサービスへのリンクを一箇所に集約し、効率的にアクセスできるようにすることが主な目的です。
ポータルサイトの種類
ポータルサイトはいくつかの種類に分けることが出来ますが、本記事では「業種特化型ポータルサイト」について解説していきます。
ポータルサイト初期構築時に意識すべきポイント6つ
ポータルサイトは闇雲に情報を増やしたり機能を追加しても成功する可能性は低く、成功するかどうかのほとんどは初期構築の段階で決まっているといっても過言ではありません。
売上を生むポータルサイトにするために、初期構築時に意識したい点です。
1.競合サイトとの差別化
ポータルサイトはすでに多く存在しているので、その中で競合サイトとどのように差別化していくかは非常に重要です。
構築する前にまず競合調査、市場調査を行い、競合となるサイトとどのように差別化するかを考えます。
基本的には「他社サイトにはない情報が多く掲載されているか、情報が見やすくまとまっているか」がポータルサイトでは重要になります。
ここで注意したいのは、必ずしも「ポータルサイト」だけが競合となるわけではないことです。
同じジャンルで情報を発信しているのであれば、影響力のある個人ブログなども競合になりえます。
例えば、「転職に関する情報に特化したポータルサイト」の構築を考えているとします。
転職に関する情報サイトは多数存在しますが、運営者の主観に基づく情報や、アフィリエイト報酬を目的とした転職サービスの紹介が多く、実際に転職サービスを利用したユーザーのリアルな口コミを集めたサイトはほとんど見かけません。
そんな中、デメリットも含めたリアルな口コミをたくさん見ることができるポータルサイトを構築できれば、競合と差をつけられる可能性が高くなります。
2.マネタイズ方法
ポータルサイトを訪問したユーザーに自社サービスを利用(物販、求人への応募、有料会員登録など)してもらうか、他社サービスへの送客による報酬でマネタイズを考えるとスムーズです。
これらはPVが少ない時でもリスティング広告などで集客し、コンバージョンを発生させることによって収支の目処が立ちやすいです。
広告掲載もポータルサイトのマネタイズ方法としては一般的ですが、かなりのPVがあるサイトでないと企業にとって広告を掲載するメリットがないため、PVが少ない初めのうちはおすすめしません。
3.検索上位を取れるキーワードの選定・サイトの最適化
ポータルサイトに限った話ではありませんが、構築当初からいきなりビッグキーワードで検索上位を取るのは不可能と思っておいた方が良いです。
まずは検索ボリュームが少なくても競合性の低いキーワードを選定して、そのキーワードを検索したユーザーが欲しがっている質の高いコンテンツを作っていきます。
また、サイトの最適化も重要です。
ユーザーが快適に使えるサイトは検索エンジンが高く評価し、上位に表示されやすくなります。
具体的には、表示速度が速いサイトや、適切な内部リンクでユーザーが欲しい情報に辿り着きやすくなっているサイトが「ユーザーが快適に使えるサイト」と判断されます。
4.複数の制作会社に見積依頼をする
自社にポータルサイトを制作できる人員がいない場合、制作会社に依頼するのが一般的ですが、最初から1社だけに絞るのではなく、複数の制作会社に相談して見積もり内容を比較した方が良いです。
金額や実績はもちろん重要ですが、実際に事業として始めるとなると長い付き合いとなるため
自社の事業内容をどれくらい理解してくれるか、担当者とコミュニケーションが取りやすいかどうかも重要な選定基準となります。
5.セキュリティ対策
ポータルサイトは多くのユーザーが利用し、個人情報を扱うため、セキュリティ対策は最重要事項の一つです。
個人情報の漏えいが起こってしまうと自社のイメージを落とすだけでなく、巨額の損害が出てサービスが停止に追い込まれるリスクや、自社が倒産するリスクもあります。
これは決して大袈裟な話ではなく、個人情報の漏洩で多額の損害を出した企業は多数存在しています。
自社でもセキュリティ対策には最大限気を配るようにし、制作会社を選定する際も個人情報の取扱いが杜撰でないかを見ておくことをおすすめします。
6.集客方法
ポータルサイトに限らず、WEBサイトはリリースすればそれだけで集客できるわけではありません。
検索上位を取れるキーワードの選定やサイトの最適化などのSEO対策に加えて、他の集客方法も並行して行う必要があります。
SEO対策の効果が出て検索エンジンからの流入が増えてくるまでは最低でも3ヶ月はかかる上、一度検索上位に表示されたからといってそれが永続する保証はないため、SEO対策だけでは不十分です。
ポータルサイトをリリースするまでの10のステップ
「急ぎでポータルサイトをリリースしたい」というご相談をいただくこともありますが、前述の通り、ポータルサイトが成功するかどうかのほとんどは構築前に決まります。
リリースまでの流れを確認し、どのくらいの期間で成功するポータルサイトが制作できるか考えた上で納期を設定するのがおすすめです。
プロジェクトの規模や目的によって、各ステップの重要度や所要時間は変わります。
成功するポータルサイトにするためにはある程度の制作期間が必要ですが、あまりにもリリースが遅くなると機会損失となるため、長ければ良いというわけではありません。
1.企画と戦略立案
「ポータルサイトが成功するかどうかのほとんどは構築前に決まる」と言った通り、ここをミスすると後からはどうしようも出来ません。
ポータルサイトに限らず、需要がない内容のサイトを機能追加などの技術面で巻き返すのは基本的に不可能だからです。
「ポータルサイトをリリースすること」そのものを目的とするのではなく、ポータルサイトはあくまで目的を達成するための一つの手段として考えることで、具体的に何をするべきかが見えてきます。
2.制作会社の選定
企画と戦略がある程度決まったら、制作会社に見積依頼を行います。
繰り返しますが、この時点では1社に絞らず複数社に見積もりを依頼することをおすすめします。
複数社の見積もりを取ることで、大体の相場がわかって不当な金額を請求されることを防いだり、自社の優先順位がはっきりすることが多いです。
現在は制作会社が無数にありますが、見積もりを依頼するのは4~5社くらいまでに絞ることをおすすめします。
「何を基準に選べばいいかわからない」と思ってしまうことが多いと思いますので、迷ったら下記を基準にするのがおすすめです。
3.要件定義
見積もりを出すためには「このポータルサイトにはどういった機能が必要か」を洗い出し、何を実装するかを決める必要があります。
要件定義についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
知識がないとどんな機能が必要かわからないことが多いと思うので、こちらの記事を参考にしつつ、制作会社に相談してみてください。
4.デザイン・UX・SEO設計
要件定義で必要な機能が決まったら、デザインやSEO設計に落とし込んでいきます。
基本的には制作会社で行う部分ですが、完全に丸投げしてしまうと想定していたものと違うサイトになってしまう可能性が高いため、制作会社からの質問や確認には迅速に対応することをおすすめします。
成果物が正しく仕上がっているか確認するためにも、最低限の知識はあった方が良いにこしたことはありません。
5.サーバー構築・システム開発
設計を基に、サーバー構築とシステム開発を行います。
こちらも基本的には制作会社で行う部分ですが、「頼んだものと違う」とならないためにも丸投げは禁物です。
また、セキュリティリスクを考えた実装も必要になります。
6.コンテンツデータの登録
ポータルサイトのメインとなるコンテンツのデータを登録していきます。
求人ポータルサイトなら求人情報、EC機能があるなら商品情報、情報サイトなら記事などの登録を行っていきます。
7.テスト・動作確認
メインとなるコンテンツのデータが入った状態で、サイト全体が問題なく動作するかを確認していきます。
8.リリース
テストを行い問題なければ、ついにポータルサイトのリリースです。
新規で立ち上げたサイトはまだ誰にも知られていない状態です。
ただサイトを公開して一般ユーザーがアクセスできるようにするだけでなく、アクセスが増えるように認知を拡大していく必要があります。
9.運用とメンテナンス
ポータルサイトはリリースして終わりではなく、正しく運用とメンテナンスを行うことでアクセスが増え、多くのユーザーに利用されるサイトに成長していきます。
利用するユーザーが増えると、比例して売上も上がっていきます。
10.継続的な改善
最初から100点のポータルサイトは存在しません。
アクセス状況やログを見ながら改善を繰り返していくことで、ユーザーにとって価値の高いサイトとなり、成長していきます。
ポータルサイト制作にかかる予算の相場
パッケージ型とフルスクラッチ(0から開発)で予算は大幅に変わります。
よほど特殊な機能が必要ないのであれば、基本的にはパッケージ開発をおすすめします。
パッケージ開発の場合
200万円~
フルスクラッチ開発の場合
500万円~
まとめ
ポータルサイトの初期構築について、20年以上の実績があるセルバからの視点で解説しました。
ポータルサイトが成功するかのほとんどは初期構築にかかっており、ここをミスすると多くの費用と時間を無駄にします。
そうならないためにも、複数社に相談して、提案内容を比べた上でご検討ください。
その内の1社にセルバも含めていただければ幸いです。
過去に多くのポータルサイトを作った知見と最新事例を数字を含めて共有させていただきます。
こちらからお問い合わせください。
ポータルサイト以外でも、WEBサイト制作のご相談や「制作会社が多すぎて選べない」という場合は、お気軽にご相談ください。
セルバでは制作会社の選定代行も行っています。