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畏敬の念

一点の曇もない解釈
一音一音隅々まで品格のある音

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イーヴォ・ポゴレリチのリサイタルを聴きに行った。
会場に着くと舞台では、ニット帽をかぶり、
肩にはチェックのストールをかけたポゴレリチが、
まるで本番前の儀式のように、
一音一音延々とピアノと向き合っていた。

・・・・・・・

解釈と技術が見事に一致していて
磨きがかった技術にため息がでる。

まるで埃一つない氷の上を滑っているような
微風が嵐のように渦巻くような

「技術を磨く」・・ポゴレリチの技術の結晶が見えるようだった。

半端や妥協というものは存在せず
誠実さのみが真実へたどり着く
音の世界で生きるとはそういうものである。(と思う)
またポゴレリチの演奏は、音は、そう語っていた。(と思う)

終始 身の引き締まる思いで聴いていた。
ラヴェル:夜のガスパール、スカルボもいつか生で聴いてみたい。