【マッチレビュー】2024J1第30節 ガンバ大阪vs浦和レッズ
〈システム〉
ガンバ大阪のフォーメーションは4-2-3-1。右から松田、中谷、福岡、黒川の4バック。鈴木とダワンのダブルボランチにウェルトン、宇佐美、食野の2列目のラインで、ワントップに坂本が入った。対する浦和レッズも4-2-3-1のシステムで試合に臨んだ。
〈前半の展望〉
浦和は中央をしっかりと締めてブロックを組みあまり積極的に前からプレスにはかけに行かず待ち構える守備を取る。後ろにプレスはかかってこないのでセンターバックやキーパーはある程度余裕を持ってボールを持つことはでき、長いボールで一気に局面を打開しようという動きもあった。
他にも中を閉じてくる浦和に対してガンバは幅を取って右ではウェルトン、左では黒川が主にサイドに張ってピッチを広く使い、サイドに広げたところにポケットにスペースが出来ていたので、そこにガンバの選手が走りこめればチャンスに繋がる可能性があった。サイドバックとサイドハーフのどちらかがサイドの高い位置でボールを受けたときに、もう一方が内側のポケットに入って行ったり、あるいは外を追い越したりと中が堅い分サイドではボールを受けやすい状況にはなっていたのでサイド攻撃がこの試合では肝となっていた。
ただ、サイドにボールが入った際に、そこからの崩しの部分で精度を欠いていることが多く相手を引っ張り出すことに成功してもその背後へのアクションを起こす選手がおらず、浦和もそう簡単に守備陣形が乱れずガンバは攻めあぐねる状況が続いた。個の打開が期待できるウェルトンに対しても浦和は警戒を強めて1対1の場面を作らせず人数をかけて対応してきたので、ウェルトンも思うように強みを活かすことが出来なかった。
ボールを保持して押し込む展開ではアタッキングサードでの連動に工夫が見られず、ボールを奪ってカウンターに持ち込む展開になったときでも前に出ていく人数が少なく簡単に攻撃を止められ堅固な浦和の守備陣を崩すことが出来なかった。試合は膠着状態のままスコアレスで前半を終える。
〈後半の展望〉
後半立ち上がりの49分、中盤でのプレスを躱され中央に向かって斜めにドリブルで運ばれて、空いたサイドにボールを展開され折り返しをフリーで合わせられてガンバは後半開始早々に相手に先制点を許してしまった。
相手にゴールを奪われ追いかける展開となったガンバは前半と同様にサイド攻撃を主体に浦和のゴールに迫ろうとする。しかし、浦和は変わらず中をしっかりと固めておりサイドに振られても中央のブロックは崩れず、ガンバはシュートまでなかなか持っていけず何とかコースを作ってシュートを打っても堅い浦和の守備に阻まれる。左右どちらのサイドにおいてもガンバは優位に立つことが出来ておらず攻撃が停滞している感じは拭えなかった。
ガンバは早い段階で動き食野と鈴木に代えて山田と美藤を投入し流れを変えようと試みる。変わって入った美藤は積極的なプレーを見せ、入った直後には高い位置でボールを奪い返してそのままシュートを放ったが惜しくも枠を捉えることは出来なかった。山田も前線から果敢にプレスをかけに行ったり後方からのパスを引き出して上手くターンして前を向いてリンクマンの役割を担ったりと献身的なプレーで攻撃を活性化させていこうとする。
それでも浦和のディフェンスを破ることはできず、その後には山下も入れてウェルトンと山下の両ワイドとなって仕掛けられる選手を増やし同点ゴールを狙いに行ったが最後まで浦和の守備を攻略することはできず0-1とガンバは敗北を喫した。
〈まとめ〉
中断期間中の天皇杯に関しては勝利を収めておりリーグ戦もその波に乗りたかったがこれでリーグ戦は6試合勝利がない状況になった。とにかくどんな形でもリーグ戦でまず一つ勝って勢いを付けたい。