盛岡グルメ①
ひょんなご縁から盛岡大好きに陥ってしまった埼玉生まれ埼玉育ち。草食ってろと言われてもめげずに、盛岡の大好きで美味しくて大好きなお店たちを勝手にご紹介。
映えある第1回は、どうしようか悩んだものの…
『三寿司』
内陸部の盛岡で寿司とは!
と、初めて連れて行って貰った時は、正直戸惑った。何せご縁がなければ全く関わらなかっただろう土地だ。土地柄も分からなければ、食文化もよく分かっていなかった。盛岡なら冷麺?わんこそば?と首を捻っていたくらい。
さて、この三寿司。支店がいくつかあるらしい。が、私が既に顔を覚えられてしまう程通ったのは "大通り支店"。カウンターがおすすめ。
何が良いってもう、まずネタが美味しい。たまらん。
三寿司は、ひきわりじゃない納豆巻が有名なのだけど、ここのポテンシャルはそればかりじゃない。
出会えたらラッキーな生鯖。
しめ鯖ではなく、なま!鯖の、とろりとした油と本来の旨味が存分に味わえる。
そしてすぐ行方不明になる中トロ。
信じられない歯応えと絶妙な味わいのえんがわ。
帆立、赤貝、ツブ貝も海老も!もう語り尽くせない。
特別だよ、出して頂いたえんがわ。
この艶よ…!
つやァ・・・っ!!
幸せって買えるんだな…としみじみと呟いていた。
だって本当に幸せで…。
ちなみにデザートは穴子と決めている。
実は私は、あまり穴子が好きではない。というより、美味さが分からなかったと言った方が良いのかもしれないが、そんなんだから食べ慣れてない。
が、人生変わりますから!と初回の連れに言われ、そんなに…?と口にした。
今まで穴子を積極的に食べなかった過去の私を問い詰めたい気分だった。
甘すぎないタレ!とろける口当たりなのにしっかりと穴子!シャリとの相性!筆舌に尽くし難いあの美味さはもう、本当、食べてもらうしかない。
あれだけ人を幸せにできるなら、穴子生も誇って良いと思う。
いや本当に君が穴子で良かったよ。ありがとうで心からご馳走様でした。
ちなみに、デザートを、というと高確率で穴子が出てくるくらい、カウンターで絶賛しすぎるほど、している。
それから何より素敵なのは大将。
2週間で3回も現れた珍妙な客(=私だ)を、毎度毎度ニコニコで迎えてくれる。
アレ、いらっしゃい。
ととても気軽だ。気恥ずかしいが誇らしくもあり、ちょっと安心もする。見知らぬ地で大きなハグをされているような気持ちで。
大将だけじゃなく、指の怪我(包丁で盛大にえぐってしまったとこ)を目敏く見つけてそっと絆創膏を出してくる強面の心優しい人にも、私はネタ以上に感動していた。
心温まる締めのあら汁を口にしては、温泉に浸かった時のようなため息が出る。幸福の吐息が。
頭に手拭いを乗せたい気持ちだ。エアー手拭い。疲れがじわりと抜けていくような、あの感覚を、寿司屋で味わっている。なんということだ。
そんなわけで、これを書いている今も、実は三寿司帰りなのだが、愛が深すぎて盛岡の方々には、お会いすればその都度、『三寿司行ってきたの?』と言われる始末で、彼らは半ば茶化して聞いてくるものの、私はほとんどの割合で三寿司には既に行った後だったりするので、ネタがちゃんとネタとして消化されない憂き目にあっている。逆に成功しているというべきか。寿司だけに。
そんな私の(勝手な)愛を存分に(知らぬ間に)受けている、三寿司さんのご紹介でした。