2拠点生活の話
2拠点生活を続けて早5年、メリットとデメリット、それぞれの生活の話をまとめていこうと思います。
現状としては、5月頃から10月頃までをスイスで過ごし、そのほかの期間は間に旅行を挟みつつ日本で過ごしています。スイス滞在中も移動が驚くほど安価なので、ヨーロッパ内には旅に出ることが多いです。問題はスイス国内の交通費がとても高いことではありますが。以前バルセロナに行った時は、空港まで電車で4時間約6000円、バルセロナまでのフライトが1時間半で、往復で約8000円でした。国内の移動が一番大変な気がします。
さてまず、メリット。
これは完全に個人的ですが、ストレス値が低いこと。非常に低く済む。
元々、集団行動は苦手でした。やりたくないこともやらなきゃいけない、他の人と違うことをするということについてよく考えて、と中学の先生に言われたことがあります。今考えても些細なことだったし、考えたところで、何で?という疑問しか浮かばないくらいの、妙なことではありましたが。これが同調圧力か!と思い当たったのは、最近のこと。
そんな私ですが、スイスで働いていると仕事だけに集中ができるので、とてもラクなのです。日本でもきっと、そういう職場はあるでしょう。ただ、私が探せなかった/出会わなかっただけかも。
あと、英語のみならず、外国語を使う現場にいたかった、というのも多分にあると思います。
それから、同じことを長く続けていくことが非常に苦手な私としては、約半年ごとに環境が変わる今の生活が性に合っているのです。
色んな人と会うので、日々新しい視線や考えなどに触れることができるのも、大きい。固定概念や思い込み、眼から鱗の意見や方法にワクワクするのです。
よく、海外就職紹介しているブログやサイトにこんなことが書いてあります。
『(日本の)周囲からすごいと思われる』
『履歴書映えする』etc...
正直私は、そんなことはどうだって良くて、いかに自分が気持ちよく楽しく生きていけるか、ということにしか興味がないのです。
どこにいたって、やることは一緒です。ただ私はその選択肢に海外が入っていて、実際に行っているだけのこと。
実力主義で、個人の意思が認められて、残業は当然支払い対象なので基本的になく、プライベートとの線引きがはっきりしていても”付き合い悪い”とか言われないところに、魅力を感じています。
それから、私にとっての最大のメリットは、自己肯定感が増す、ということ。
お互いのパーソナリティや文化や習慣、考えなどをある一定の敬意を持って受け入れてくれる人たちが非常に多いからです。ディベートなどの話し合いもしやすく、真っ向から『間違ってる!』と言われることはありません。
話す、理解する、ということにおいては、海外にいて本当に良かったと思うことばかりです。
そして、デメリット。
雇用が不安定です。
これは本当に仕方なくて、日本だったら日本人が優遇されることが多いのと同じで、海外ならその国の住人を優先して雇用するから。
ただ私の仕事は、現地の日本人も相手にするガイドなのでここは特に影響しないと言って良いと思います。が、昨今の事情(ウィルスに始まる、旅行のキャンセルや仕事の絶対数の低下)を鑑みるに、不安定と言うのは間違っていません。日本にいても同じでしょうが、安定していないので仕事がなくなったら無収入です。
あとは、すぐに駆けつける、というのが難しいというところでしょうか。
個人的には、年2回の移動がちょっと面倒に感じるくらいです。
日本食はあんまり恋しくなりません。自炊ばかりですが、色んなものを作る中に日本的な食事が含まれることもある、という具合です。それぞれの国の料理は現地が一番おいしいと思っている派なので、日本食は日本で食べたいのです。
ただ、どうしても欲するものがある時は、現地にあるもので何とかしようと思っています。
最近は、豆乳と薬局で手に入れた塩化マグネシウムを使った豆腐作りにハマりました。使う鍋はフォンデュ用の鍋(厚手で使いやすくて、炊飯器代わりにも優秀)、絞る布巾はベビー用ガーゼ、入れ物はタッパーで。
こういった感じに、適応しています。
メリットもデメリットも、もちろん人それぞれだと思います。私が良いと思っているものを、そうじゃないと思う人もいるでしょう。
昔、かつての知り合いに『お前の生き方は吐き気がするよ』と言われたこともあります。表情を作ることもその発言に反応することも困難なくらいにはショックでしたが(笑)、彼は彼なりに、その時分に悩みがあったのかもしれないし、本当にそう思ったのかもしれない。
価値観なんて、本当に人それぞれで、正解などないのだと思った事件でしたが。
それぞれですよ、というお話でした。
次回はスイスの生活の話、の予定です!
と言っても、超局地的な生活なので、1回で終わるとは思うのだけど。笑