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【SELFの本棚】#004 地球の危機にSDGsの免罪符では間に合わない! 目指すべきエコシステムを問う!

いろんな人の、いろんなおすすめを、目的もなくつらつらとながめてみる。

普段私たちは自分の興味にしたがって何かを調べたり、探したりすることが多いのですが、そんな文脈から外れたところに実は素敵な出会いや、思わぬヒントがあったりするものです。

誰かの好きな本と、その好きな理由を ただご紹介するこの企画。

今回はサイバー大学でプロジェクト管理を教えている勝 眞一郎(かつ しんいちろう)さんのオススメの本です。

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本のタイトルは、「人新世の『資本論』」。

環境問題は、わたしたちSELFの中での中心的テーマにいつもあります。集まると解決策を話しあい具体的な解決策を考え、アクションをとるという活動をしています。

この本では、経済思想と社会思想を専門とする斎藤幸平(さいとう こうへい)氏が、「人新世(ひとしんせい)」においてどのように最終的な破滅を回避するかを考察しています。「人新世」という言葉は耳馴染みが無いと思いますが、地質学の年代の分類で最終氷期の終る約1万年前から現代に至る「完新世」の次の時代、すなわち人類の活動の痕跡が地球の表面を覆いつくす年代をさしています。

2021年のSELFの合宿で、元パタゴニア日本支社長の辻井さんが、「これは環境問題では無く人間問題なんだ。」と話していたことと重ねながら、本を読み進めました。

何か緑化に良いことをすれば免罪符が得られるというようなグリーン・ウォッシュや、エコバッグを買ってお茶を濁したり、ガソリン車を電気自動車に置き換えて実質的な二酸化炭素排出量削減には寄与しないような見せかけを止めようという考えが、資料を元に展開されています。

これまでの経済が、誰かの何かを搾取することで周ってきたのに、その誰かがもういなくなり、何かがもう無くなってしまう時期が近づいて来ていることを述べています。

じゃあ、どうしたらよいのか?

コモンズと呼ばれる共同の生活の中で搾取に頼らない社会を築いていこうという主張です。
エッセンシャルワーカーの仕事の価値評価を高め、共助の社会へのアプローチを示しています。

人は正常性バイアスによって、危機を見なかったことにできます。でも、なんとなく「違うな」という違和感は隠せません。もう一度、地球という広い視野に立って、自分たちは何をしていけばいいのだろう?と考えるのに、良い本だと思います。

タイトルは、「人類が地球を収奪しつくす時代の選択肢」という方が分かりやすいかもしれません。



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