“下駄の日”なので 下駄についてのあれこれ
今日は「下駄の日」ということなので、下駄についてのあれこれを話しましょう。
そもそも今の日本では“下駄を履いている人”というのはほぼ見かけませんね。むか~し、ほんとむか~しの話になるんですが、「蛮カラ」と言って大学生になると同時にちょっと変わった格好をする人たちが、あえて下駄を履いて過ごしたり、なんてこともあったようですがさすがに今の大学生では見ませんね。
大学生になると同時に地元を離れるので、それまでとは違った格好をするという“考え方”自体はまぁ今の若者にもあると思いますが。
そもそも下駄ってけっこううるさいんですよね。カラカラカラカラ……。あの音こそ粋な証拠だろう、という考え方もあると思いますが今の世ではきっと悪目立ちしてしまいますね。
浴衣を買うときにセットでついていることもあるので、そこで初めて下駄を履いてみた、という経験のある方もいらっしゃると思いますが、予想以上に大きな音が出ることとその“重さ”に驚いた方も多いのではないでしょうか。
そう、重くて歩きづらいんですよ、下駄って……。
今の街で履くにはちょっと危ない
なんだかんだいってもやっぱり日本の伝統の履物。いろいろあっても履いてはみたい、と考える人もいると思います。実際、浴衣には合うと思います。思いますが……例えば電車に乗って花火大会に行くなどというときにはあまりおすすめしませんね。
なぜかというと、階段を下駄で上り下りするのはかなり危ないのです。
階段の幅に対して、下駄がちょっとはみ出るんですよね。上るときなどもちょうど下駄のかかとの部分が階段からはみ出して、それによって足をうまく乗せることが出来ずに階段を踏み外してしまう、ということがよくあります。
電車に乗るために駅へ行くともなれば、階段なしでの移動というのはほぼないでしょう。この階段の上り下りで一歩間違えば大けがすることにもなりますので、サンダルなどを履いて行かれるのが良いと思います。ちょっと風情ないですけどもね。
二本歯と一本歯
「下駄の日」が7月22日の理由としては、下駄の寸法が七寸七部であることと下駄で地面を踏んだときの踏み跡が「二」に見えることからだそうです。この理由からいくと……一本歯の下駄では当てはまらないということになってしまうのですが、まぁ細かいことはいいでしょう。
一本歯の下駄というのは、日本伝統の妖怪「天狗」が履いていることで有名なやつです。あのいかにもバランス悪そうなやつで、よく木の枝なんかに立っている絵を見たりしますよね。
あの一本歯の下駄ですが、何も天狗のキャラ付けのために生まれたのではなく、もともとは山で修業する山伏や修験者が履いていたものだそうです。
なんでも、山の斜面のようなでこぼこしたところを上り下りするには、二本歯の下駄よりも一本歯のほうが歩きやすかったそうなんですね。二本歯だとうまく地面と接地できずにグキッといっちゃったんでしょうね、きっと。一本歯でもあれはあれでグキッといきそうではありますが……。
まぁそれぞれ場所によって履き分けるために、一本歯と二本歯の下駄ができた、ということなんでしょうね。
いかがでしょう。
簡単に下駄についての話をさせていただきましたが。夏は浴衣を着ることに伴って、下駄を履く機会のある方も多いと思います。慣れてないと歩きづらい履物ではありますので、履くときにはお気をつけて。
おそらくサンダルくらいがいいですよ(笑)。