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効率重視の人ばかりではない スローレジに見る、人の支持を得る方法

こういうところに目を向けられるからこそのホスピタリティを大事にした“おもてなし”の国、日本なんだなぁと思わせられるようなニュースがありましたのでシェアしたいと思います。それが「ITmediaビジネス」に出ていた以下の記事です。

レジで会計するときについもたついてしまい、後ろに待つ人たちのことが気になって焦ってしまってそれがストレスになってしまう。そういった人たちのために「レジでの精算で慌てなくていいですよ」ということを前面に押し出した“スローレジ”を導入したところ、予想以上に支持を得られたというニュースです。

ちなみに上記記事のタイトルにある“タイパ”というのは「タイムパフォーマンス(時間対効果)」のことで、この場合ですと「あまり時間をかけずにパパっとレジ会計を済ませる」ということです。近年だと「セルフレジ」や実験的に行われている「無人コンビニ」がこれにあたるのではないかと思われます。


上記記事によると「通常のレジが空いているのに、スローレジに行列ができるほど好評だった」というのです。でもこれ、分かる気がするんですよね。

僕なんかは今でもコンビニやスーパーでは現金払いで支払いを済ませているのですが、きっちり金額通りに払ったり、おつりをキリのいい硬貨でもらうために小銭を細かく出したいときがあります。しかしそんなときにけっこうお客が他に並んでいると、ついついお札でバッと出してしまっておつりをジャラジャラもらってしまうということもあるのです。同じような経験をする人というのはわりといるのではないでしょうか。

最近ではわりと高齢の方でもカード払いをしていることが多いので、昔に比べたらレジの精算で手間取るというのは減っているかもしれません。けれど今でもレジ精算に不安を抱えている人はいます。スーパーが混む時間帯にしか買い物ができないという人なら尚更です。

そこで出たのがこの「スローレジ」のサービス。行列を作る人も前の客を焦らせるようなことはありません。スローレジを利用する人間同士、お互いの気持ちは分かっているのですから。そもそも急ぎたいのなら他のレジへ行けばいいのです。


会計時になるべくお客を待たせることのないよう時間効率を考えて設けられたセルフレジ。その反対に「ゆっくりでいいので落ち着いてできる」スローレジ。どちらも利用するお客の気持ちを考えて作られたサービスです。

なるべく手間を減らし、機械化・デジタル化を進めることが世の中を便利にするという考え方があります。しかし本当にそういったことを望んでいる人ばかりでしょうか?デジタル化を進める一方でこういう部分にも目を向けたほうが良いというものもあるのではないでしょうか。

国では今、マイナンバーカードの普及を推進しています。それは国民の利便性を考えての面もあるとは思いますが、それによって振り回されている人たちもいます。本当に国民が望んでいるのは“そこ”なのか、を今一度考えてみたほうが良い気がします。


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