事業への想い
私がなぜ、今の事業に想いを持って取り組んでいるかをお伝えできればと思います。
外国人採用が必要となった背景
『外国人を採用する・・・』、それは最近ではごく当たり前に捉えられるようになりましたが、私が初めて取り組んだ2004年頃はそのように考えられていませんでした。当時、日本は就職氷河期から少しずつ上向いてきていた時期です。
まだ求人広告やハローワークから日本人が応募してきて、その日本人の方々から選考して採用する、というのが一般的な時代に、私は外国人の方々の採用をご検討頂ける企業への商談を毎日行っていました。
とはいえ、一般に外国人採用といってもまだ留学生や永住者、在日ブラジル人などの定住者などが主で、まだ海外から人材を採用する時代でもなかったと思います。
ただ、日本人を募集してもなかなか日本人が集まらない職場が製造業には多くあったのです。
ご存知の通り、日本は「モノづくり大国」です。そして、99%の中小企業が1%の大企業を支えるモノづくりピラミッドが構成される国です。しかし、そのモノづくりの現場に日本人が集まらない問題が浮上していました。
これは遠からずモノづくり大国と呼ばれた日本の製造業が衰退することを意味しており、その製造業が衰退すると、多くの支援系サービス業が衰退します。
そして、その支援系サービスには日本人が多く集まっていました。つまり、労働者配置という観点で見ると、とてもバランスの悪い状況となっていたのです。
他にも、理系教育の衰退も裾野では影響を与えていたと思います。外国人採用は、そんな製造業の衰退を食い止める長期政策として登場しました。
外国人採用に携わる迷い
私は当時、そんな製造業に様々な外国人採用の方法をご提案し、多くの外国籍人材を採用、受け入れて頂きました。しかし、その中で一つの疑問も生まれました。
日常、採用をご提案させて頂く中で、自分の仕事をご紹介する場面もあるのですが、そうすると「日本人の仕事を奪うのを手伝っているのか?」という言葉や視線を投げかけられる事が時々ありました。
そのうち、「私は日本人の雇用を奪っているのか?」「企業も人材本人もとても喜んでいるが、職場の日本人は喜ばないのか?」と、思うようになりました。少し自分の仕事に誇りを持てなくなる時期でした。
しかし、ある面談でこのように言って頂いた時、その疑問は晴れました。ある経営者の方から、「菅野さん、良い人材を紹介してくれてありがとう。もし、彼らが来てくれなければ廃業も視野に入れていたよ。本当にありがとう。」嬉しい言葉でした。
また、働いていた人材達もとても活き活きとして幸せそうでした。
この時、私の事業がお客様の発展を助けることができていて、また多くの人材達の人生をよりよくすることに貢献できていることが分かったのです。
この時を境に迷いはなくなりました。そして、「労働環境も競争原理が働く場所、プロ野球選手のように必要な人材になるべくそれぞれに努力が必要。成長しなければ企業は衰退する。本人達が努力しなければ守られている場所ではない。」と思い直し、外国人人材が入社することにより、日本人に刺激を与えられる良い仕事と思うようにしました。
そうすると、不思議と新しいお客様も決まっていきます。おそらく提案にも迷いがなくなっていたのでしょう。素晴らしい人材やお客様との出会いに支えられ、私はこの領域に身を置くことにしました。
それから早15年以上・・・多くの方々に支えて頂きました。地方勤務や海外勤務を経験することにより、視野も広がり、外国人人材への洞察も深くなりました。外国人をマネジメントする経験も若いうちから得ることができ、自分には大きな財産となりました。
最後に・・・
これからはこの財産を還元する時期と思っています。その一環として弊社がエンジニア入社前に行う「既存社員様向けの異文化講習会」もクライアント企業様に大変ご好評いただいております。
国、歴史、民族性、管理留意点、日本語の伝達方法、叱り方、フォロー方法など予備知識を深めてもらうことにお役立ていただいております。
これは全社無料でご提供させてもらってますが、また別の形でも取り行っていきたいと思っています。これらの取り組みにより私が得た経験や知見を少しでも皆さんにお届けできたらと思っています。
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