学校の勉強などで躓いた箇所があるとそれを解決するために前の学年で習った箇所をもう一度見直しどこにその躓きの原因があるか徹底的に戻る作業は大事な事の1つだと考えている。
功利主義の代表的な人物JSミルは優れた統治制度を選択する為に3つの基本的条件を提示している。それは
①国民はその統治制度を受容する事を同意していなければならない。
②それを維持する為に積極的に行動する意思と手段を得る。
③その制度の為に自己抑制をしなければならない。
その上でミルは最も理想的な統治形態が代議制の統治であると主張した。それは絶対的な政治権力を個人に委ねるよりも共同社会の全ての構成員に政治権力が保持されている統治形態が好ましいと考えられているからだ。
これらのミルの主張を読む限り、果たして今の日本の国会に議会制民主主義は成り立っているのだろうか?以前立憲民主党の辻元清美議員の「鯛は頭から腐る」に基づいた質疑に「意味のない質問」とヤジを飛ばした安倍首相のそれは共同社会の全ての構成員に政治権力が保持されている、というミルの主張を無視した形になる。
最近はSNS等でデマでも何でも構わないからインパクトのあるネタを投下し、それに対してRT拡散し、収拾がつかなくなった時点でアリバイづくりに形だけの謝罪をする、という、しかしその時点でデマの声の方が大きくなってしまっている、という議会制民主主義の形骸化を助長させている動きが横行している。
その議会制民主主義を冒涜する安倍内閣、安倍晋三という人物、そして続く菅内閣は果たして突然変異的に現れたのだろうか?私はそうは思わない。冒頭で述べた躓きの原因を探る為に過去に遡るという観点から例えば2010年の
参院内閣委員会で野党自民党の古川俊治議院の質問に対して菅直人副総理兼財務相(当時)が放った「議会制民主主義は期限を切った一種の独裁」という言葉を事も無げに言ってのけた。菅直人氏の発言をより具現化したのが今の現実だとしたら今日の議会制民主主義の崩壊は与野党関係なく、全議員、全有権者の責任になるのではないか?