もう1つの育成

 プロ野球は先日日本シリーズも終わり、いよいよトライアウト、FA戦線などのストーブリーグに突入した。各球団どの選手をFAで狙い、どの新人選手を即戦力、育成としてやっていくか青写真を描いてると思う。
 そして今の時期、ドラフト直後という事もあり、育成という言葉が各紙を踊っている事に気づく。このチームは育成に定評があるからA選手はここにドラフトで指名されてよかった、とかまたはその逆とか。
 育成というと若手のという意味が大勢を占めるが、私は育成はそれだけではないと思う。それは何かというとチームの背骨、精神的支柱になる生え抜きの選手をつくる事だ。勿論若手のそれとチームの柱をつくるそれのやり方は変わってくるが、どちらの育成も同じ価値を持っている。
 私がその事を感じたのは楽天の嶋選手の実質的なチーム追放を報道で知ってよりそれを強く思ったからだ。
 チームの背骨をつくるのはただ生え抜きで長くやってればいい、という訳ではない。例えばうちでいえば同じ年数をやっていても栗山選手と中村選手とではどちらの方が背骨になっているかは明らかだ。(背骨になってない選手がダメという訳ではない)
その選手の背景にある生きざま、発する言葉、人格など様々なものが絡み合ってチームの背骨、精神的支柱になっていく。そしてその選手を中心にチームというのが1つに纏まっていく。その逆にその背骨を失うとチームは空中分解を起こしてしまう。それはやがてファン離れにも繋がっていく。どうかどの球団にも新人、若手の育成だけでなく、そちらの育成にも力を入れてもらいたい。
 

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