TEPPEI RECOMMEND 2024 10/26~11/2
いまオススメのロックをテキストと共にお届けするTEPPEI RECOMMEND。今週の紹介は8曲。といってもバンドの数としては4つで。2つのバンドについてはそれぞれ3曲ずつの紹介(いいアルバムからはいくつも紹介したくなるもので)。曲にはYouTubeのリンクを貼っておきます(Spotifyに入ってない人はそっちからチェックしてください)。
1曲目はイギリスはバースの4人組インディー・ロック・バンド、Laura’s Dream(ローラズ・ドリーム)から。このバンドは地元でかなり人気らしいのだけど、Spotifyにはまだ4曲しか上がってない。どの曲も若いバンドならではエネルギーに満ちていて、今回紹介するデビューEPに収録される予定の『Amie Don't Wait』もシンプルで飾り気がない曲で、悪く言うとあまり練られていない勢い一発って感じがするのだけど、聴けば嘘がないってわかるし間違いなくメロディーセンスがある。嘘がなくてメロディーセンスがある最近のバンドっていうとアイルランドの新人バンドCardinals(カーディナルズ)が思い浮かぶのだけど、正直そのレベルにはまだ達していないと思う。でも絶対磨けば光る。来年とか再来年とかどう化けるのか成長を追っていきたいバンドであります。
2曲目から4曲目はイギリスはリバプールの四人組ロックバンドSPINN(スピン)から。今回紹介するのは先々週リリースされたスピンのサードアルバムからの曲。聴けばスミスやキュアーというバンド名が浮かぶキラキラ、ドリミーサウンドで、先週紹介したHumdrum(ハムドラム)とも音楽性が重なるんだけど、ハムドラムの方がサウンドにリバーブが効いている(だからドリーミー度が大きい)のとボーカルが後ろに隠れてるため、よりシューゲイザーって感じがする。逆に(でもないか)スピンはギターポップ度、ネオアコ度が大きいという感じ(ジャンル分類的には)。2曲目の『I’m In Hell』は聴いてると気持ちが上がるアップテンポのポップチューン、3曲目の『Alfie』はしっとりとしたミドルテンポで、いずれもカラッとして爽やか。それからすると4曲目の『Enduring Love』は憂いを帯びたサウンドに抒情的なボーカルアプローチがあいまってかなり粘っこいというか、こちらのソウルにまとわりついてくる。スピンのサードアルバムは他にもいい曲があるのでこの手の音楽が好きな方は是非チェックをば。
5曲目から7曲目は9月末にリリースされていたThe Courettes(ザ・コーレッツ)の最新アルバム。ザ・コーレッツはデンマークのガレージロック・デュオ(ブラジル人のフラヴィア・クーリとデンマーク人のマーティン・クーリの夫婦二人組)。このザ・コーレッツ、全然知らなかった(ので9月末にリリースされたこのアルバムも最近知った)のだけどとってもいいっすね。どの曲にもどこかで耳にしたフレーズがあるのだけど古臭くない。昔のをまんまやってる風にみせてちゃんと要所要所で外していくというか。過去のアルバムから順に追ってみると2021年のサード・アルバムあたりまでは音も曲もビンテージといった感じだったのが、去年リリースされたフォース・アルバムで音がかなりクリアになり(靄が晴れたというか前に出てきたというか)、今回のアルバムでは音がさらにくっきりし曲もよりモダン(ここはもっと上手くいえればいいのだけど難しい)になった印象。昔の音楽を昔の音で再現して欲しいってファンからするとこの変化は歓迎できないかもしれないけど、自分的にはいまの方がというか、いまの感じだから惹かれた。ノスタルジックなメロディーながらアップテンポの5曲目の『Keep Dancing』(イントロのフレーズはオールディーズの引用だと思うんだけど誰の何という曲だったか思い出せない)、ハードなロックチューンながらフラヴィアのボーカルと女性コーラスの効果で全体としてスウィートな仕上がりになっている6曲目の『Here I Come』に、7曲目の60年代ロックを高速化したような軽快なロックンロール『Better Without You』まで、どの曲も聴いてもウキウキする。この他にもアルバムにはいい曲が一杯。気になった方は是非チェックを。
本日のラスト、8曲目は今年8月に9年ぶりとなる新作(『Good Morning』)をリリースしたイギリスはウェスト・ロンドンのNiall Galvin(ネイル・ガイビン)ことOnly Real(オンリー・リアル)から。新曲『When Does It Feel Like Love』は(『Good Morning』もだけど)相変わらずローファイでメロウなギターにオールドスクールなヒップホップが乗っかっていて、(いいのか悪いのか)9年経ったことを全く感じない。うーん、心地いい。
ということで今回も雑感を書いて終わります。
【今週の雑感】
まずは先週に引き続き告知です。来週11月9日(土)23時から渋谷の頭バーでロックDJパーティー『BURN BABY BURN』やります。23時からのオールナイト。よろしくどうぞ。
こっちも先週に引き続きの告知。一か月ほど前から『DJてっちゃんねる』なる番組をYouTubeで始めました。チャンネル登録お願いします🙏。ここ二三年の新譜が半分、懐かしの旧譜が半分になるバランスを保ちつつ、すべての曲をマイクを使って紹介し、毎回新しい分野や繋ぎなどにもチャレンジという、ラジオ風ロックDJ配信です(先週から録画したのをアップロードするようにしたのだけど(前回の動画はこちら)、再生回数が119でこれまでそんなことなかった(せいぜい55とか)から喜んでます。といってもほとんどの人は最初の三十秒しか聴いてないんだけど)。よろしくどうぞ。
さて、今週の音楽トピックはなんだろう? そうか年明け早々開催されるロッキングオン・ソニックの第三弾発表がありましたね。今回の追加はFriendly Fires、The Snuts、CIGARETTES AFTER SEX、MONOBLOCの四組。Friendly Firesは2018年のサマソニ以来。あれは終始ダンスダンスダンスな汗だくになるライブだった。今回はどうだろう? ロッキングオン・ソニック自分は二日とも行くのだけど、久々のFriendly Firesは楽しみ。ファーストの曲が沢山聴きたい。あとはMONOBLOCって初めて聞いたんだけど、調べてみるとなかなかいい感じ(今年9月にリリースされたこの『Irish Goodbye』って曲とか)。新人をいきなり大舞台で観れるっていうのはフェスならではで嬉しい。
あとニュースというと、前からだけど続々と大物アーティストの来日が発表されてますね。The Flaming Lips(ザ・フレミング・リップス)にNew Order(ニュー・オーダー)ですか。無理です。行けません。そんな金ないっす。来年のフェスに出てくんないかな。バンドにとってもフェスに出るってメリットがあると思うんだよね、よく知らないバンドの単独に1万とか2万だす若い人がそんないるはずないんだから。でもまあ、フェスのチケット自体高いから若い人行かないか。うーん。
暗くなったところで終わりにします。最後まで読んでくださった方がいたらありがとうございました。