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TEPPEI RECOMMEND 2025 1/5~1/11
いまオススメのロックをテキストと共にお届けするTEPPEI RECOMMEND、今週はリリース増えました。ここ2週くらいチェックに15分もかからなかったのがウソみたいに一気に1時間越え。しかもいい作品が多い多い。まずは何といってもSkinnerの新譜。良すぎて4曲も選んでしまった。あとFranz Ferdinandの話題の新譜も良かったし、無名の新人(でもないのかな?)Maiden Laneのシングルも先週紹介したUltra Lightsの2週連続シングルもナイスだった。ということで今週は8曲紹介します。曲にはYouTubeのリンクを貼っておきます(Spotifyに入ってない人はそっちからチェックしてください)。
1曲目から4曲目は去年10月に先行シングル『Geek Love』を紹介したアイルランド、ダブリンのアーティスト、Aaron Corcoran(アーロン・コーコラン)のプロジェクトSkinner(スキナー)の今日リリースのデビューアルバム『New Wave Vaudeville』から。いやあこのアルバムは凄い。キラーソング『Geek Love』も収録されてるんだけど、それ以外もそれぞれに素晴らしくて4曲から3曲に絞ることができなかった。『Sour Milk』『Do Re Mi Fa』『New Wave Vaudeville』『When You Live In A Shoe』とどの曲もノイジーでフリージャズでファンキーで、一言でくくればノー・ウェイヴ・リバイバルなんだろうけど、そんなレッテルはどうでもよくて、とにかくダンスフロアで踊り狂いたい、そういう衝動に駆り立てられる音楽。キャッチ―でポップで、実験性と大衆性が融合してるというか、すごく心を掴まれる。『Geek Love』の冒頭の歌詞はこう、『Everybody here is just bored to death(みんな死ぬほど退屈してる)Drowning in their own ordinariness(自分の平凡さに溺れてる)』。そうなんだよ。みんな死ぬほど退屈なんだ、その状況を変えられない自分にもへきれきしてるんだ。誰もがぶっ飛びたくて、でもできなくてうんざりしてる。そんな現状を一変するバンド、それがスキナー。年始早々素晴らしいアルバムが聴けてホクホクしてる。今年はスキナーの年、スキナーで踊り狂う年。フジロックかサマソニに来て欲しい。もちろん単独もお待ちしてます。
5曲目はイギリス、グラスゴーのバンドFranz Ferdinand(フランツ・フェルディナンド)の今日リリースのアルバム『The Human Fear』の収録曲『The Doctor』。これまでフランツにはなかったタイプの曲。結構BPMが速くて直線的なリズムでシンセが入ってる。と、そんな特徴からいってもThe Strokesっぽいんだけど、そこにフランツ風味が交じり合ってFranz Ferdinand Meets The Strokesな面白い曲。他の曲も結構良かったし、いまのフランツは充実してるんだろうね。スキナーでも書いたけど、フジロックかサマソニか、あるいは(これは結構ありうると思ってるんだけど)来年のロキソニのヘッドライナーでもなんでもいいんで来日お待ちしております。
6曲目はアメリカ、サンフランシスコのバンドMaiden Lane(メイデン・レーン)の1月6日リリースのシングル曲『Tunnel (Dig Until I Die)』。ガレージ・パンク、なんだけど攻撃的でなくて親しみやすくて60年代ロック、たとえばThe Kinksの『All Day and All Of the Night』を思い出した。2022年デビューでこれまで2枚アルバムをリリースしている。センスの良さを感じるバンド。注目していきたい。
7曲目はアメリカ、アトランタの4人組ポストパンクバンドUltra Lights(ウルトラ・ライツ)の1月10日リリースのシングル曲『People On The Planet』。この曲も先週紹介した『It’s Your Funeral』同様、ぱっと聴いた感じはPavementっぽいなんてことない曲なんだけど、ちゃんと聴くとかなり変な感じ。具体的にどこがどうというのは聴いてもらうしかないのだけど、規則と不規則の絶妙なブレンドというか、目を見開いて顔を突き出した男、前のめりでずんずんこちらに向かってくる男、だけど手と足はめちゃくちゃに動かしてる男というか、そんな感じ(どんな感じだよw)。まあいいバンドっす。今年デビューアルバム出すのかな? 飛翔して欲しい。
本日最後8曲目はイギリス、ケンプリッジのバンドSports Team(スポーツ・チーム)の1月10日リリースのシングル曲『Bang Bang Bang』。ノリがいい、踊りたくなる曲。マカロニ・ウェスタン風のメロディーから始まる曲なんだけど、Ramonesばりにズッタンズッタン速いBPMで平坦なリズムを刻んでて、その感じが馬に乗って荒野を駆ける姿っぽいなと思う。前にTEPPEI RECOMMENDで紹介したThe Rhythm Methodの『Dean Martin』もマカロニ・ウェスタン風のメロディーが前面に出てたけど、西洋人は西部劇が好きですね。日本人の時代劇みたいなもんか。まあどうでもいいですが。
ということで今週も雑感を書いて終わります。
【今週の雑感】
今週というか前週の土曜日曜とrockin' on sonic(略してロキソニ)に行ってまいりました。いやあ楽しかった。昔のサマソニに遊びに行ったみたい。好きなバンド、聴きたい新人、ちゃんと聴いたことがない興味あるアーティストだけで構成されたフェスなんて、一体何年ぶりだろうか? 来年も是非続けてほしい。たぶん大丈夫だよね、24000人くらい集客があったらしいんで。来年のヘッドライナー予想は上にも書いたけどFranz Ferdinand。あとはすべてヘッドライナーというわけじゃないけど、The Smashing Pumpkins、The Hives、Kula Shaker、Suede、The Flaming Lips、Teenage Fanclub、Rancid、Phoenix、The Fratellis、The Kooks、Elvis Costello、The Two Door Cinema Club、Pixies、Rat Boy、Jamie TそしてそしてThe Libertinesあたりを期待を込めて予想しておきます(ずいぶん多くなった)。
ロキソニの次の日、今週月曜日には新代田FEVERで開催されたMJレンダーマンのサイン会+ライブイベントに遊びに行った。ロキソニもMJレンダーマンも行った人がどのくらいいるのか気になって(そうしたからってそれがわかるわけではないのだけど)、ライブが始まってしばらくしてから会場を見まわしたら30代以上と思われる人が多かったな。せっかくの無料ライブ(ドリンク代600円だけとられる)なんだから若い人はこぞって来たらいいと思うのだけど、洋楽とかあんま興味がないのか、MJレンダーマンの音楽が地味すぎて視界に入らないのか。まあ自分もめちゃくちゃ好きというわけではないけど(それなのにサイン会に参加してツーショット写真まで撮ってもらって、ちょっと申し訳ない気持ちになりました、はい)、去年のRolling Stone誌の年間ベスト3位、Pitchforkの年間ベスト4位のアーティストがどんな音を出すのかとっても興味があったのだけど、そういう興味の持ち方がいまは特殊なのか。ともかくライブはWednesdayメンバー2人も参加して和やかでとても居心地がよくて、とっても得した気分になった(ロキソニ後だったんでとても疲れましたが)。
あとはそう、明日YouTubeチャンネル『DJてっちゃんねる』の動画をアップしますんで、チェックよろしくです。たぶん夜、日をまたぐくらい遅くなる可能性もありますが。前回の自分で聞き返してみてマイクの音が大きすぎたんで、今回はマイクの音、曲の音、いい感じのバランスになるようにテストで何度かとって調節します。
もうないかな、たぶん。ないっすね。今回は終わります。最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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