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TEPPEI RECOMMEND 2025 2/8~2/14
いまオススメのロックをテキストと共にお届けするTEPPEI RECOMMEND。
今週注目のアルバムとEPは以下です。じゃかじゃん!
注目のアルバム
・Horsegirl / Phonetics On and On
・The Lumineers / Automatic
・Manic Street Preachers / Critical Thinking
・WOOZE / WOOZE
・Art d'Ecco / Serene Demon
注目のEP
・Bug Eyed / We Talk Thunderstorms Not Showers(Part 1)
・Monobloc / Monobloc
・hey, nothing / 33°
まず注目のアルバムから短い感想を。Horsegirlのセカンドアルバムはよかった。どうよかったかは曲紹介の方で書くけど、彼女たちってとても批評性が高いというか、自分たちを見つめる目が鋭くて、ファーストはこうだったからセカンドはこうしようって方向性を定められるクレバーさと音楽的素養の広さと深さが凄いと思った。The Lumineersの三年ぶりのアルバムは先週オススメした一曲目の『Same Old Song』がよかったのだけど、他が地味というかしっとりした曲ばかりでいまいちでした。なんて、ファーストアルバムから彼らはそうなんだから、派手な曲を期待する自分が悪いのだが、もう一曲くらい踊れる曲があってもいいんじゃないっすか。Manic Street Preachersの四年ぶりのアルバムは前半と後半で評価が変わった。ポップ感を押し出して、マニックスの持ち味である臭みが脱臭された前半の楽曲群(多くはシングルカットされた曲)はいいところがなくなっただけという感じでいまいちだった。後半はいつものマニックスで、これだよこれと納得臭みでオススメにも二曲ほど選びました。やっぱり納豆やくさやは臭くなきゃいけない。WOOZEは2018年からシングルやEPを発表してきたのだけど、ついにデビューアルバムが発売です。全体に素晴らしいのだけど、全10曲で5曲はすでにシングルカットされているので新鮮味はなかった。でもエレポップではあるのだけどハードロック要素とかいろいろ混ざっててかなり独特なのでオススメのアルバムです。Art d'Eccoは今回初めて知ったのだけどこれが四枚目なのね。80年代っぽい、Talking HeadsとかDavid Bowie感があると思ったら、Spotifyの『ファンの間で人気』のバンドにBrigitte Calls Me Babyがあって笑った。3曲オススメにあげた。
さて次はEP。Bug EyedのファーストEPがとっても素晴らしくてオススメの曲に5曲も選んでしまった。先週紹介したシングルの『Snug as a Bug』を聴いた段階ではMGMTとかFoster the Peopleってバンド名が頭に浮かんで、それはそれで間違ってないと思うのだけど、今回EPを聴いてもっとポップなバンドなんだなと思った。詳しくは曲紹介で。ロッキングオンソニックで一躍有名になったMonobloc、ファーストEPはいまいちだった。6曲中4曲がシングルカットされてて刺激がなかったというのもあるけど、そもそも『Irish Goodbye』くらいしか好きじゃなかったわと気づいたり。すみません。hey, nothingのサードEPもいまひとつ。というか、一曲目のシングル曲『Sick Dogs』を除いて全体にしっとりしたトーン(The Lumineersパターン)で趣味に合わず。
アルバムとEPの紹介が終わったところでオススメの曲。2月2週目の今週は21曲紹介します。曲にはYouTubeのリンクを貼っておきます(Spotifyに入ってない人はそっちからチェックしてください)。
1.Y - Why
2.Bug Eyed - Ten to Twelve
3.Bug Eyed - A-Rated Horror Movies
4.Bug Eyed - Itching
5.Bug Eyed - You & I
6.Bug Eyed - Backseats
7.Horsegirl - Where'd You Go?
8.Horsegirl - Well I Know You're Shy
9.Horsegirl - I Can't Stand To See You
10.Wings of Desire - A Few More Years
11.The Tubs - Chain Reaction
12.jak demo - gully tRap
13.DVTR - Né pour flâner
14.DE'WAYNE - highway robbery
15.The Covasettes - Rebound
16.Cdubz - I Used To
17.Art d'Ecco - Tree Of Life
18.Art d'Ecco - The Traveller
19.Art d'Ecco Wallowscomb
20.Manic Street Preachers - Deleted Scenes
21.Manic Street Preachers - Being Baptised
1.はイギリス、ロンドンの4人組インディーロックバンドY(ワイ)から1月20日リリースのデヴューシングル『Why』。初めて聴いたときは度肝を抜かれた。冒頭からサックスのエキゾチックなメロディーに耳をもっていかれ、次いでファイという叫び声が聴こえたと思ったらドラムとベースがドンドンと胸を突くような性急なビートを刻みだす。この速さ、サックス、異国感あるメロディーには聞き覚えがあると思って、熟考ののちFat Dog? と思ったのだけど、Spotifyのバンドページ見ると一緒にライブをやっているらしい。現地ではすでに有名なのかな? 去年のFat Dogようにこれからじゃんじゃんいい曲だしていきそう。楽しみ。
2.から6.は先週も『Snug as a Bug』を紹介したイギリス、ロンドンのポップロックディオBug Eyed(バグ・アイド)から2月12日リリースのEPから『Ten to Twelve』『A-Rated Horror Movies』『Itching』『You & I』『Backseats』。全6曲のEPなんだけど全曲良かったから先週紹介した一曲を除いた全曲をオススメ(6曲中4曲はシングルだけど紹介してなかったのでまとめて紹介)。先週は『Snug as a Bug』だけ聴いて『MGMTやFoster The Peopleのファースト、そういう2000年代後半から2010年代にかけてのインディーロックとエレクトロ・ポップが交差した音楽が好きな人にはオススメの新人』と書いたのだけど、他の曲を聴くともっとポップ寄りのバンドだとわかった。けどhard lifeほどポップじゃない。Only Realは近いかも(『When Does It Feel Like Love?』の感じ)。緩いラップも入ってるし。MGMTとかFoster The PeopleとかとOnly Realを合体させた感じ? わらかんけど。とにかくファーストEPでこの完成度はヤバい。要チェックの新人。
7.から9.はアメリカ、シカゴの3人組インディーロックバンドHorsegirl(ホースガール)の今日リリースのアルバム『Phonetics On and On』から『Where'd You Go?』『Well I Know You're Shy』『I Can't Stand To See You』。前作はオルタナティブロックの正統後継者というか、ロックらしいアタック感あるアルバムだったけれど、今回その攻撃性は影をひそめ、代わりに温かみがアルバム全体を包んでいる。The RaincoatsやThe Velvet Undergroundのような反復とヘロヘロ演奏、いつまでも聴いていられる。日常に溶け込む音楽。オルガンやヴァイオリンも使われててフォークロック味があるのも個人的にポイントが高かった。好き。
10.はイギリス、ロンドンのドリームポップバンドWings of Desireから2月11日リリースのシングル曲『A Few More Years』。シンセサイザーがキラキラと輝く、高揚感というか陶酔感がある音楽で、夜中のダンスフロアで聴いたらふわふわして気持ちよさそう。現実逃避にぴったりな音楽。
11.から16.は14.のDE'WAYNEを除いて新人。どれもそれぞれにいい曲だけど、11.のThe Tubs『Chain Reaction』はこういうストレートなロックをやる人たちと思ってなかったからちょっと驚いた。12.の『gully tRap』は1月にオススメしたjak demo(ジャック・デモ)の新曲で、ちょっとBeckの『Loser』ぽかった『fangs』よりだいぶ速くてN.E.R.Dとかに近いかな(『Everyone Nose (All The Girls Standing In The Line For The Bathroom)』とか)。jak demo要チェック。
という感じで今週も終わり。雑感をば。
【今週の雑感】
先週のことだけどSUPERFUZZというロックDJパーティーに遊びに行った。場所は渋谷のマルコムという箱。最高に楽しかった。12時半くらいに着いたのだけど、それから朝の5時まで八割がた踊ってた。出入りはあったけど客が常に30人くらいはいたし、ながれる音楽は好きなロックばっかだし、DJの腕は確かで酒もハートランドの小瓶があって、俺のためのパーティーじゃないかって感じで楽しんだ。一か月か二か月前にここに書いたように、そういうロックDJパーティーはもう不可能なんじゃないかって思っていたから、自分の理想に近いパーティーが存在しているってことが奇跡のようで嬉しかった。自分でやろうと試みてたから、あれだけのことをやるのがどれほど大変か、正確に理解できなくても推測することはできる。だからいまはできるだけ応援したい気持ち。SUPERFUZZは次回3月8日土曜日23時半から場所は渋谷マルコム(磯丸水産の地下です)。ロックが好きな人、夜通し踊りたい人は是非。
さて今週ですが、フジロック早割の抽選発表がありまして、自分は見事に外れました。昨日19時から土曜日に早割券が買えるっていう整理券配布があったのだけど、それもゲットできず。自分の周り外した人ばかりなんだけど、早割って何枚なのかね。でもまあフジロックは行きたいと思う。ただ宿をどうするか。一日ならともかく前夜祭からテントはキツいなと思ってて、四万くらいかけても民宿に泊まるべきかもなと。チケット代とさらには交通費食費を合わせると十六、七万くらいかな? こんなん若い人は無理だよね。フジロックはどこに向かう。
今週のニュースといえばなんでしょう? ああカニエがなんかやったらしいですね、よく知りませんが。あとケンドリックラマーがスーパーボウルのハーフタイムショーに登場したとか、同じくスーパーボウルでテイラースウィフトがブーイングを受けたとか、そんな感じ? ああそう、9月17日18日とHorsegirlの来日公演が決まりました。これは嬉しい。行くしかない。アルバムもバッチリだったし。楽しみ。
今週はここまで。最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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