見出し画像

良い歯科医院の条件 その3

皆様、こんにちは
本日は前回に引き続き、良い歯科医院とはどういうものを言うのか?というテーマでお話をさせていただこうかと思います。

目次
1 主訴改善が医療の基本
2 一口腔単位での診査診断ができているか?
3 時間を守る
4 患者の業を否定しない


今回は、良い歯科医院の条件 その3をお話しします。
残りの項目は、患者との人間関係を構築して行く上で歯科に限らず日本の社会通念上において大切となる、いわばマナーに近いものとなります。

今回の条件を守ることで、医院としての評価ももちろんですが

特にこれを読んだあなた本人に対する評価も、とても良いものになります。



3 時間を守る

歯科に限らず、人との待ち合わせや、仕事のやりとりなど生きて行く上で人は様々な時間の制約を受けています。

例えば、友達とレストランで料理を注文したとします。相手の料理だけ先に来たが、自分の料理だけなかなか来ず相手の方に気を遣って食べるのを待たせてしまった経験などありませんか?

日本人は特に文化の性質上、人に対する評価として「時間を守る」ことに対して高い意識を持っているとされています。

①日本人は個人能力よりも、集団としての協調性を重んじる傾向が文化的に存在しています。そしてそれを乱すことは相手(患者)の時間を奪っていることに繋がる、と言う評価を下してしまいがちなのです。

②例として、電車の時刻表を見たことがどの方も一度はあるかと思いますが、日本は世界的に見てもこの手の時間管理能力が非常に高く評価されています。

例えば、東海道新幹線の年間の平均遅延時間は1分以内であり、これは世界でも例を見ないほどの正確さと言われています。また電車が1分以上遅れた場合、駅や車内アナウンスで即座に遅延理由が説明されるなど、遅延への対応も迅速で丁寧であると評価されています。

こういった日常が当たり前の評価レベルで根付いているため、歯科医院においても診療時間を守ることは当然として求められています。

ここで覚えておいてほしいことは、患者さんは口に出さないだけで、診療を待たされたことに対して、それ相応の評価を心の中でしていると言うことです。


もし1人でもこういった事にクレームを申す患者さんがいた場合、他の10人の患者さんも同様のことを心の中で感じている、と思ってください。

私は、診療アポイント=患者との約束 だと考えています。
日本を相手にして診療することが圧倒的に多い以上、ここを守らないとお互いの関係性に悪影響をもたらす結果となります。

では逆に、アポイント時間を守らない患者に対してはどのように対応するべきでしょうか?

結論から言うと、遅刻する患者は診療をお断りするべきです


自分達に求められている常識を患者にも求めることは、医院のブランドを守る上で何も問題はないと私は考えます。
当院は、5分の遅刻で患者さんに電話を行い、10分以上過ぎたらたとえ患者が来院してきたとしても診察はお断りし、帰っていただくようにしています。
これは次のアポイントがたとえ空いていて時間に余裕があったとしても同様です。

ここで同情して遅刻患者を見てしまうと、巡り巡って対応をしているDHの方々に対しても首を絞める行為となります。

当院では、初診の段階でキャンセルポリシーを事前に用意しており、診療前に必ず説明するようにしています。正直、それをしてもなお遅刻する人はもう診るべきでは無いと思います。


4 患者の業を否定しない

業(ごう)とは人の行い、特に悪い行いについてを指すものです。

よく歯科医院に来院される患者さんの中で、特に疼痛主訴で来院される方がいると思います。

実際に口の中を見ると、虫歯だらけで残根状態の歯しかない、あるいは歯周病で歯がぐらぐら、どうやって食事をしていたんだ!?と言う患者さんを皆さん一度は見にしたことがあると思います。

その時に、院長が一言『こんなになるまでどうして放っておいたの?』と言う発言聞いたことありませんか?

これは絶対に言ってはいけない言葉の一つです。


特に今のご時世、SNSを含む情報社会において発言の意味合いは色濃く残り、一歩間違えると医院単位での評価を落とすことになりかねません。

結論から言うと、患者さんは自分のお口のことをあなた以上によくわかっています。

その人にはその人の生活があり、その人が決めてきた優先順位があります。
その結果として痛みがあって今困っていたとしても、その人のデンタルIQ自体が低いとは限らない、と私は考えています

皆さんに言いたいのは、こういった人を診る時ほど自分の力量が試されていると思っていただきたいのです。


前回の記事でも話しましたが、医療の本質は技術ではなく良好な患者関係を構築することであり、共感する姿勢が最も大切です。
これができない上での医療は決してうまくいきません。

一言、
『ここまで辛い状況が続いて大変でしたね。でも院長を含め我々がきちんと対応しますから、安心してくださいね。』
『ただ、歯科医療は患者さんとの協力関係が不可欠ですので、この機会に一緒に頑張っていきましょう。』

これを言うだけです。

歯科衛生士だから治療できないことも多いし、、、、とかそんなこと関係ありません。


患者さんの前に座ったら、誰でも等しくその人の悩みや間違いを誰かが正さなくてはならないのです。
たとえ治療をするのが自分でなくても、あなたの一言でその人に気づきを与えられることができれば、その人の価値観は大きく変わります。



患者さんの過去を掘り起こして今までの業を暴くのではなく、自分の医院から患者さんの新しい価値や未来を作っていくことに焦点を当ててください。


ここまで読んでくださりありがとうございます。
次回から、歯周病に関してのお話を配信していきます。

教科書よりわかりやすく!!
を目標に、今後も活動していきますのでよろしくお願いいたします。


この度、私のコンテンツに対してアンケートを設置しました。
今後、扱ってほしいテーマや質問したことなどありましたら張り切ってやりますので、ご協力のほどよろしくお願いいたします!!

これからも、歯科衛生士の社会的立場が少しでも良くなるよう微力ながらお手伝いさせていただきます。



いいなと思ったら応援しよう!