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銀座NAGANOで出会う北信州の酒 ~木島平村・金紋錦試飲会~

長野県の北東部に位置する木島平村。新幹線の飯山駅から、車で10分ほどの距離にあるそうです。「もっと遠い」と思っていて、わたしもまだ行ったことがありません。

木島平村ホームページより

ここで育つ**希少な酒米「金紋錦」を使った日本酒が味わえるイベントが、「銀座NAGANO」**で1月31日〜2月1日に開催されました。

金紋錦は、長野県唯一の特産酒米であり、山田錦とたかね錦を交配して生まれた品種。
1964年に奨励品種として採用されたものの、栽培の難しさから生産量が減少し、現在では木島平村のみで守り続けられている貴重な酒米です。

この試飲会では、そんな金紋錦を使用した日本酒が揃い、観光協会や役場の方々が直接お酒を注ぎながら、その魅力を伝えていました。


📍 木島平村とは?

木島平村は、長野県北部にある総面積99.32平方キロメートル、人口4,375人の小さな農村地域です。

木島平村ホームページより
  • 米作りに適した地形と気候

    • 標高300〜500mのなだらかな地形

    • 上信越国立公園のカヤの平高原に近く、昼夜の寒暖差が大きい

    • 豊富な雪解け水が稲作に適した環境を形成

  • 弥生時代から続く農業文化

    • **弥生時代の遺跡「根塚遺跡」**では、古くから稲作が行われていた証拠が見つかる

    • 江戸時代には用水路(せぎ)を開発し、広大な水田を確保

    • 現在も環境保全型農業を推進し、農薬・化学肥料を減らした特別栽培米を生産

そんな伝統ある木島平村で唯一生産される酒米が、金紋錦です。


🌾 幻の酒米「金紋錦」の歴史

📜 誕生と衰退、そして復活

  • 1964年:長野県の奨励品種として採用され、県内各地で栽培が始まる

  • 栽培の難しさ(耐病性が低く、精米時に割れやすい)から次第に生産が縮小

  • 1988年:石川県の酒造「福光屋」と木島平村の農家が契約栽培を開始

  • 2005年:全量「特別栽培米」として生産、近年は有機栽培にも挑戦

  • 2012年:金紋錦を使用した酒が品評会で金賞を受賞し、注目が集まる

現在では、長野県内外の酒蔵と協力しながら、金紋錦の魅力を広めています。


🍶 試飲会で体験した金紋錦の魅力

今回の試飲会では、金紋錦を使った日本酒が多数登場。
特徴的だったのは、「雪中貯蔵」の熟成酒。

「内山乃雫」という日本酒では、貯蔵前のものと雪中貯蔵したものを飲み比べできました。
雪中貯蔵のポイント
0℃の環境で完全遮光し、長期間熟成
甘みが増し、口当たりがまろやかに
旨味の広がりが豊かになり、奥行きのある味わいに


🍷 試飲した日本酒ラインナップ

今回の試飲会で提供されたお酒は以下の通り。

  • 福光屋「黒帯 悠々」

  • 田中屋酒造店「水国特別純米酒 金紋錦仕込」

  • 角口酒造店「北光正宗 金紋錦 特別純米」

  • 宮坂醸造「真澄 七腕」

  • 七笑酒造「純米吟醸 金紋錦」

  • 高天酒造「金紋59 純米辛口」 など

私が行った2日目には、真澄や黒帯はなくなっていました。しかし各酒蔵ごとに金紋錦の活かし方が異なり、同じ酒米でも仕込み方によって味わいが大きく変わることを実感できました。


🌟 金紋錦の未来

木島平村の農家と酒蔵が守り続ける「金紋錦」。
その魅力が少しずつ広がり、新たな展開が期待されます。

🌱 今後の注目ポイント

  • 有機栽培のさらなる拡大

  • 金紋錦を使った新たな酒の開発

  • 雪中貯蔵の可能性の追求

これからも、金紋錦と木島平村の日本酒文化が発展していくことを願います。

以前はコシヒカリなど食用米より酒米のほうが買い取り価格が高かったのですが、倒伏しやすく育てにくいのに、現在では酒米の方が安く、価格が逆転しています。そこで全国的に転作する人も多いのです。米がなければ酒は造れぬ…ということで、大きな問題になっています。そういう意味でも、今年は今までより、一層圃場にも足を運んで行きたいと思っています。

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