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「一白水成」福禄寿酒造(秋田郡五城目町、1688年創業)/秋田県・日本酒の旅

秋田県庁さんからのご依頼で、冬の秋田を訪問しました。

インスタグラムでは、その様子を数回に分けてお届けしています。蔵開き時以外は、一般見学を受け入れていない酒蔵ですが、蔵やつくり手の背景を知ることで、お酒がより一層味わい深く感じられるはずです。ぜひお付き合いいただき、秋田旅行の際には居酒屋さんで飲んでみてください。

※本記事の情報は、2023年2月に訪れた時点のものです。営業時間や見学可能な状況など、変更がある場合もございますので、旅行計画の際は最新の情報をご自身でご確認ください。地域と共に歩む想いを感じる「一白水成」

一白水成(いっぱくすいせい)|福禄寿酒造

秋田市内から車で約40分。秋田県南秋田郡五城目町で、1688年に創業された歴史ある酒蔵です。社長・渡邉康衛さんにお話を伺いました!

地域と共に育む酒造り

最初に案内されたのは、2018年にオープンした「下タ町醸し室 HIKOBE」。蔵の隣にある家屋をリノベーションしたカフェで、木の温もりに包まれた心地よい空間が印象的でした。

続いて訪れたのは、雪に覆われた契約農家の圃場。広大な田んぼが広がり、春の訪れに思いを馳せました。

五城目町の人口は約8,000人。「五城目といえば朝市」と言われるほど、毎月2、5、7、0のつく日に開催される朝市が町の誇りです。山の幸や地元特産品が集まり、多くの人々が訪れる活気あるイベントです。

次に案内していただいたのは、地元の陶芸「三温窯」。ここで作られた器は、カフェ「下タ町醸し室 HIKOBE」でも使用されており、地域との深いつながりを感じることができました。

地元の文化や人との繋がりが、福禄寿酒造の酒造りを支えています。


福禄寿酒造の挑戦

福禄寿酒造は、地域農家との連携を大切にし、13年前に「五城目町酒米研究会」を発足。現在では地元産米を95%以上使用しており、さらに5年前には農業法人を立ち上げるなど、地域の活性化にも積極的に取り組んでいます。

蔵内では9名の蔵人が、華やかで上品な酒質を誇る「一白水成」を手掛けています。仕込み水には中硬水を使用し、酛造りに工夫を凝らすことで、その繊細で上質な味わいが生み出されています。


NEXT5と秋田の酒造り

福禄寿酒造は、2010年に発足した「NEXT5」の一員です。「NEXT5」は、秋田を盛り上げることを目的とした集団ではなく、純粋に「酒質の向上」を追求するための技術交流グループ。酒蔵の規模に関係なく、品質を高める姿勢を徹底しており、その取り組みが結果的に秋田の酒を全国に広く知られるきっかけとなりました。

※「NEXT5」は、2024年2月、14年弱続けてきた活動を休止した。


酒蔵経営のカフェ「下タ町醸し室 HIKOBE」ここでしか味わえない体験

「HIKOBE」で楽しんだ火曜日限定ランチ(発酵食)は絶品でした!木の温もりに包まれた心地よい空間で、ゆったりとしたひとときを過ごすことができました。

シュッとした紳士的な康衛さんの雰囲気は、「一白水成」の華やかで美しい酒質とどこか重なります。地域の人々との深い繋がりを強く感じる、心温まる訪問でした。


感謝を込めて

今回の取材にご協力いただいた福禄寿酒造の皆様、そして秋田県庁の皆様、貴重なお時間をいただきありがとうございました!


※福禄寿酒造は普段は蔵見学をしておりません。蔵開き. 毎年1回、2月の中旬に、朝市冬の祭りと同日開催で蔵解放を実施しております。事前にご確認ください。
※「一白水成」は「下タ町醸し室 HIKOBE」での購入が可能です。詳しくはお店にお問い合わせを。


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