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新谷仁美の”図々しいお願い”

「来年があると、私は思っていません」
新谷仁美選手が、口にしたその言葉には、
とても大事な、選手としての責任感が含まれていました。

クイーンズ駅伝2024、2位。
準優勝という立派な結果で終わりながら、
2連覇だけを目指した積水化学にとって
それは失意の結果でした。
レース後、社員向けの懇親会で、
”自分の仕事”を果たせなかった
新谷選手は話します。

「明日また同じような環境で挑戦できるとは思っていません。でも、来年また(大会に)来たいと思っています。図々しいお願いですが、よろしくお願いします」

挑戦できる環境は決して当たり前ではない

クイーンズ駅伝2024、5区を走った新谷選手は、
トップのJP日本郵政グループと22秒差を追いつく、
素晴らしい走りを披露しました。

しかし、鈴木亜由子選手(JP日本郵政グループ)の
力強い走りもあり、そこから突き放すことはできず。
部分的に良い走りを見せても、
結果が優勝でなければ意味がない。
その認識は、走った6人とも同じでした。

レース後の表彰会を終えて、
懇親会の会場に到着した新谷選手は、
最初に応援への感謝を口にしたあと、話し始めます。

「従業員の皆さんには、何の保証もない私たちの挑戦を、普段から全力でサポートしていただいて、選手はそれをひしひしと感じながら競技に取り組んでいます。挑戦できる環境に置かせてもらっているということは決して当たり前ではないし、誰もができることではありません。今日走った6人のメンバーだけじゃなく、走れなかった選手たちも含めて挑戦できる環境に置いてもらっていることは、本当にここにいる従業員の皆様のおかげだと思ってます」。

“図々しい”お願い

自身が思う敗因に関して、新谷選手は話しました。

「個々での反省はもちろんあるのですが、 今回の敗因は何だったのか考えた時、おそらく周りのチームを甘く見ていたところが、私たちの1番の弱点だったなと。同時に自分たちの力を過信し過ぎていたところがあったのかな、と思います。ここまで個々で成績を伸ばしてきた自信はありましたが、それを信じ過ぎた結果、今回2位になってしまった。そう思っています」

それでも、挑戦させて欲しいと、
彼女は改めて頭を下げました。

「来年があると、私は思ってません。明日また同じような環境で挑戦できるとは思っていません。私たちの活動が、いつどういう状況になるかわからないという危機感を持ちながら…それでも、来年また(大会に)来たいと思っています。“図々しい”お願いかもしれませんが、今後もよろしくお願いします」


周りはきっと、”図々しい”と思っていなくても。
結果を出せなかった新谷選手にとって、
それは、きっと「図々しいお願い」。
彼女はその発言の意味を補足してくれました。

「私は、チャンスがそもそも何度もあると思っていないですし、それは人それぞれの価値観だと思うんです。すぐ切り替えられる選手もいるし、なかなか切り替えられない選手もいるかもしれない。でも、そうは言っても時間は刻々と経っていて。どんな状況であろうと結果がなければ、全てが多分言い訳になってしまう。ここで走っている=(イコール)働いている、のと同じなので、責任を持って私も含めてやらないといけないなと思います」

その責任感の強さ。
それは彼女の強さの理由でもあるのでしょう。
来年、その図々しいお願いが、どんな結果になるのか。
それはやってみなければわかりませんが、
ただ、その責任に応えるために選手たちは、
最善の準備を1年間、進めていきます。



文:守本和宏/ナノ・アソシエーション
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