庭師的酷暑考
暑い。まだ暑い。
毎年、今年は暑い、今年は暑い、と言っていたが、
本当に今年は別格なくらい暑い。
空調服など着ない、と言っていた人でも、
今年は耐えかねて空調服デビューしているのを多く目撃するくらい。
この仕事をしていると、この時期にいつも鬱陶しく悩まされるのは、
様々な虫の存在である。
その中でも蚊や蜂は直接自分達に害があるので、
いつも注意する存在である。
しかし、今年は(去年から少しその気配はあったが)、
蚊が少ない気がする。
蚊も暑過ぎて出てこれないのだろうか、思っている。
その代わり少し涼しくなってくる時に、
一気に出てくるのでは、と不安なのだが。。
そして、蜂。
今年も剪定中に何回かアシナガバチの巣に遭遇しているが、
普通なら襲ってくる距離に手を入れても襲って来なかった。
なんか大人しいというか、鈍いというか。
これも暑さのせいなのだろうか。
とはいえ、これから秋に向けて凶暴になっていく可能性は大いにあるので、
油断しないように仕事をしていかなければとは思っている。
虫の他に、植木についてもこの暑さについて思うことがある。
少し調子が悪い木、例えば前から鉄砲虫に食われていたが
何とか生きてきたモミジとか、少し枯れ枝があって、
葉っぱが開き切っていないけど毎年生きてきたような
ハナミズキやヤマボウシとか、特に落葉樹なのだが、
この暑さを通り越した今(今も暑いけど)、
次々に枯れているのを確認している。
なんとか生きてきた植木たちが、この酷暑でトドメを刺されたのか、
と感じている。
虫で言えば、テッポウムシがやたら多い気がするし、
地元の街路樹のハナノキにもテッポウムシのように幹に入り込み、
食い荒らす幼虫が大発生していると聞いた。
最近の気候変動に関連して、
庭師目線で虫の減少について書かれたnoteがあったので、
勝手ながらシェアしたい。
食物連鎖が虫から始まる、ということであれば、
虫の減少や生態の変化は、生態系全体に大いに影響を与えることになる。
その原因が我々人間に大きくあるということを自覚し、
日々の行動や考えを変えていかないといけないと思う。
以前ニワニワクラブで話した、「庭は自然の最小単位」として考えたとき、
その庭を作り管理する立場として、
自然と接続する役割を担っている庭師は、
この問題について真摯に取り組んでいかなければいけない。