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ぼくらの「アメリカ論」

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ぼくらのどこかに、いつも「アメリカ」がある。 高知、神戸、東吉野。文学者、建築家、歴史家。居住地も職業も違う3人が、互いの言葉に刺激されながら自分にとっての「アメリカ」を語る、こ…
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2023年11月の記事一覧

4 「移民国家」アメリカ——「文明人」はどちらなのか 白岩英樹

早くも2回目の番が回ってきた。とはいっても、手を挙げ、光嶋さん-青木さんとつながってきたバトンを受け取ることを所望したのは、わたし自身だ。そうせずにはおれない自分がいた。その理由は、かつて不可視化された存在からの「呼びかけ(call)」に対して、「応答(response)」せねばならないという「責任(responsibility)」を腹の底で感じたからである。 たとえエッセイとはいえ、自分に嘘はつきたくない。死者が眠る「ゲート(gate)」の向こうへ行く人間が現れたら、ちょ

3 私の人生に「アメリカ」は、関係がないと思っていた。 青木真兵

なぜアメリカについて語り合いたくなってしまったのだろう。まずはそのあたりから話を始めていきたい。 幼いころからアメリカを意識したことはなかった。行ってみたいと思ったこともないし、特段のかかわりもなかった。祖父が海軍にいたので先の戦争の話は聞いていたし、もちろんその戦争はアメリカと戦ったもので、数えきれないほどの空襲や2度の原爆投下で日本人がたくさん殺されたことは知っていた。それでもすごく遠い国、自分とは関係のない国だというイメージがあった。だから今、アメリカと聞いて頭にパッ