詩18

明らかにパンクした自転車が
音を立てて背後から近づいてくる
続いて断末魔のようなブレーキが鳴り
私の横で停まる
「どこいくの?」
片思いの彼女が聞く
「どこでもいいだろ」
ぶっきらぼうに言ったら
聞き取れなかったようで
聞き返されてしまった
なにもかもおしまいだ
なにもかも色褪せた
もう話すことはやめよう

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