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智恵子以外の人の抄

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詩。
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2021年9月の記事一覧

詩25

夏祭りのパレードの場所を確保するために
置かれていると思っていた花束は
そこで死んだ人へのお供えだった
フードコートの座席を確保するために
置かれていると思っていた風船は
お尻で割る用の風船であった
こんな日は店の前ある
ランチメニューの食品サンプルは
触ると本物であるかもしれない
そう見せかけて食品サンプルかもしれない
その拍子に突き指するかもしれない。

詩23

「何が面白くて駝鳥を飼ふのだ」
というフレーズが頭の中でリピートして
良いアドバイスが思いつかない
そんな私を見ていられないのか
蕎麦屋のショーケースの中に飾られた折り鶴は
こっちを見ていない