責任

落日堂店主 藤澤淸造、西村賢太、周辺グッズ https://rakujitsudou.base.shop/

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事の顛末について 2

何故「事の顛末について」、というタイトルにしたのかは1に記したが、「事」、まあ「出来事」。一人の人間の人生なんて物は所詮基本的には誰の心にも残りはしない一つの「出来事」。 自分の人生という、側から見たら単なるくだらない「出来事」。そしてその中の主人公に起こった「事の顛末について」。 ウダウダしてるが、自分はそんな人間だ。 回りくどくてすまぬ。 自分は小説も文章も、そんなのを好む。 犬が自分の尻尾を追いかけてグルグル回ってる感じ。 進める。 西村賢太について自分が考えない日は

    • 創作「途方落日」 一

      1 角部屋。定輔の住む、長方形が外の道路に従って図々しく削れた台形型をした101号室、そろそろ煙草の黄色い脂(ヤニ)が目立ってきているその薄い壁の向こうから声が聞こえてきた。長らく住人の居なかった隣りの部屋に誰かが引っ越しをしてきたようだ。男二人で何やら楽しげな会話をしながら荷物を運び入れている。天気だけは良い日曜日の午前中、定輔は携帯電話でタクシーを呼んだ。駅前のパチンコ屋へ行く為である。験担ぎ、徳を積む、そんな訳でもないが、まずはタクシー代金六百円を世の中に投げれば、周り

      • 事の顛末について 1

        10年以上前からだろうか、部屋で一人悶々と西村賢太の小説を読んでた頃は、自分がそんな考えを持つなんて思いもしていなかった。 まず、西村賢太の話を人とした事がなかった。 一人暮らしの最後の方、長方形が道に沿って削れた台形の部屋101号室で「苦役列車」が掲載された文藝春秋を買って来て眺めていた、もしくはなんかのきっかけで「暗渠の宿」を手に入れた、それが西村賢太と自分について、最初の記憶かもしれない。 自分の場合、その後結婚して生活が変わって行き、西村賢太小説との関わりは変わって行