新入生

ドア近くに立つランドセルの少年

おろしたての服　真っ白な靴

今日がはじめて一人での

登校なのかもしれない


混みあう車内

少年は人々に押されながらも

窓の外を見つめている

降りる駅を間違えないようにと

やや緊張した面持ちで


やがて電車から吐き出されると

黄色い帽子をかぶり直して

少年は階段をのぼってゆく

たどたどしくも一歩一歩

新たなせかいへ挑むように

（第26回メトロ文学館優秀作品）

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