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エッセイ 拝啓25歳様

 老いていくということは、身体的な衰えも然り、感受性や発想力をも失っていくことだ。
また、逆に耐性を得ることだ。

脳と身体のピークは若干のズレがあるが、おそらく10代後半から20代前半だろう。ざっくり25歳がピークとしてみる。異論は認める。

 これは考えたら恐ろしい。
 私たちは社会に出て、何かを成し遂げようとするとき、既にピークアウトしているのだ。

25歳以上のあなたも、私同様、今この瞬間ゆっくりゆっくり水銀が動くように衰えているのだ。

 また得た耐性は、体験と置き換えてみると、わかりやすい。
体験し続けると、新しい感動は無くなる。楽しいことが少なくなる。神経は摩耗する。常に自分の興味の対象を刷新し続けることで何とか精神を保つ。うん。なかなかしんどい。


だが、それは仕方ない。何かにそうデザインされたのだ。

科学の力で寿命が延びたことが完全に想定外だったのだろう。


 ここで疑問。そもそも20代前半でピークを迎え、医療の力なしだと、40から50歳くらいで亡くなる我々人類は、この観点からみると、なんの役割をもたされたのだろう。


あんまり考えんなよ

ってこと、じゃないだろうか。とりあえず。
Don't think, just move.
と、そもそもが奴隷のように働かせられる存在なのだ。どちくしょうめ。

身体を動かし続け、エネルギーを発し続け、物理的にモノを造り上げ、発展させ続ける生命体であり、それを一番上手に出来るのが25歳なのかもしれない。

25歳様。なのかもしれない。

機能美という点からも、25歳くらいのアスリートの身体は本当に美しいし。

だから、20代で全部出し切って、あとは余生20年くらい。というように、なんか丁度いいようセットされていたんだろう。

今人類が抱えてる不幸や悩みの種類は、完全に長生きし過ぎが理由かもしれない。

だがしかし。

もちろん、今までの全ての25歳様の蓄積のおかげで、今私がスタバで温かいカプチーノを飲み、スマホを弄れていることを大変感謝しております。

敬具





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